都築氏
指定管理者が仕掛ける
新たな観光ニーズの創出
鳥取の観光地といえば「砂丘」と答える人が大半ではないでしょうか? 鳥取県は鳥取砂丘以外も変化に富んだ自然を楽しむことができ、アウトドアを切り口に観光誘客につなげる企業活動をしているのが弊社です。
その最も新しいプロジェクトの一つが、県中部「東郷湖羽合臨海公園」の日本海側、はわい長瀬地区および宇野地区の再開発です。鳥取県では令和7年、Park―PFI事業者および指定管理者を募集し、弊社が新たな管理者に決定しました。集客の中心地となる宇野公園で、11月から整備工事がスタートしています。
宇野公園は、鳥取空港から車で海沿いを西に30分程度走った位置にあり、「鳥取のハワイ」と呼ばれる羽合(はわい)海岸に隣接しています。海と空が広がる絶景の地に「RVパーク」と新キャンプ場、多目的の芝生広場を整備し、海浜の自然環境を生かしたアウトドア拠点が来春4月に誕生します。
このうちRVパークとは、日本RV協会が「快適に安心して車中泊ができる場所」として定めた条件を満たす専用施設です。全国各地で設置が進んでいますが、クルマ旅の先進国である欧米に比べると、まだ全然足りません。そこで、海沿いに走る国道9号沿いの便利な立地と眺望を生かし、公園駐車場の一角に新たなRVパークを開業します。
休業していた旧キャンプ場は従来のサイトを、電源付き、車寄せ可能な区画サイトに整備して、ファミリーやビギナーも安心して利用できる快適なキャンプ場に生まれ変わります。旧ピクニック広場は、芝生化によりデイキャンプなどアウトドアを気軽に楽しめるスペースに。鳥取県ならではの自然観光の新名所として「星空デッキ」も開設します。
今回のプロジェクトは県立公園の有効活用ですが、弊社は県東部の若桜町の施設である「わかさ氷ノ山キャンパーズヴィレッジ」の運営を目的として2023年春に設立しました。その後、「高原の宿氷太くん」「わかさ氷ノ山スキー場」も受託。氷ノ山3施設の指定管理者としてエリア全体の集客向上と運営管理を担ってきました。また、グループ会社において鳥取県内各地でアウトドア施設を展開しています。
地域密着の事業拡大の中で選択してきた手法が、「指定管理者としての運営」です。官民連携により公益性と収益性の両立を追求、一企業、一自治体では成し得ないスケールの遊休資産を活用できます。両者が一緒になって地域の魅力を見つめ直し、共に届けることが、また訪れたい場所を増やすことにつながっていくと考えています。

都築氏




