伝達式の様子(中央=福田社長)
長崎県・雲仙温泉で旅館を営む雲仙福田屋(福田努社長)が、地域振興に寄与する民間事業者を表彰する「令和7年度ふるさと企業大賞(総務大臣賞)」を受賞した。温泉地特有の火山性蒸気を活用した給湯システムによるCO2削減など、地域貢献への取り組みが高く評価された。
ふるさと企業大賞は、都道府県や政令指定都市などの出捐(しゅつえん)により設立された地域総合整備財団(ふるさと財団)が実施。自治体が長期の無利子資金を融資する「ふるさと融資」制度を利用した地域振興に寄与する民間事業者を表彰している。今年度は自治体推薦を受けた11事業者が受賞した。
同社の主な評価点は、(1)館内で出る生ごみをコンポストで肥料化し、自家農園で再活用する循環型の取り組み(2)温泉由来の火山性蒸気を利用した熱交換システム「燗付(かんつけ)」を給湯に導入するCO2削減への貢献(3)食材の多くを地元から調達し、地域産品のPRや地元経済活性化につなげる地域密着の調達体制(4)従業員の約9割が地元出身者で、技能実習生も積極採用する地域雇用への貢献(5)福田社長が約20年にわたり消防団活動に参加し、防災活動を推進する地域協働の姿勢―など。
同社は1926年(昭和元年)創業、68年に宿泊業を開始。2017年には「山照(やまてらす)―別邸―」を開業し、露天風呂付き客室や展望露天風呂などを新設。21年には本館「雲仙福田屋」をリニューアルするなど、持続可能な設備整備を進めてきた。

伝達式の様子(中央=福田社長)




