【体験型観光が日本を変える422】中国に頼らない経済戦略を 藤澤安良


 今年の秋は豊作な果物や野菜がある。一方でサケは深刻な不漁であり、海水温が高いことも影響している。同時にイクラも品薄になる。また、瀬戸内海のカキも海水温が高かったり、高塩分濃度もあってか、多くのカキが死滅しており、極端な不漁となった。

 農水大臣も広島県のカキ養殖現場を訪れた。補助や援助も必要かもしれないが、農水産業は自然が相手であり、その影響が大きいことから、根本原因であろうといわれている地球温暖化の影響を考えて、対策も転換も考えて動かなければならない。

 「いつかは回復するだろう」「今年は不作だから」と、楽観的に考えて対策を打たずにやり過ごしたことで、長い年月をかけて元に戻らず取り返しがつかない状況になっている。ふるさと納税の返礼品が地元産品でそろわない事態も起こっている。

 今後、ますます納税者の期待に応えられない状況がやってくる。すでに2年後は応じられない品物もある。まさに地球規模の転換期である。

 台湾有事を巡っての高市発言が中国の反感を買い、魚介類の輸入禁止、日本への旅行禁止、航空機のキャンセル料免除、日本線の航空便の減便、など矢継ぎ早に対日制裁が続いてきた。

 そんな中、G20サミットが南アフリカで開催された。高市首相と中国の李首相の会談や立ち話や握手があるかと注目していたが、大方の予想通り目も合わすことはなかった。経済的にも、留学生たちにとっても、両国の関係悪化は双方にメリットがない中、一刻も早い沈静化が求められている。

 インバウンドは全世界的に広がっており、訪日中国人客は以前ほどのシェアがない状況である。在日中国人でインバウンド受け入れの実業家と意見交換したが、すでに、世情を先読みしてか、東南アジア諸国にも手を広げているとのことであった。インバウンド拡大も投資も貿易も中国に頼らない経済戦略が求められている。

 以前に韓国との関係が悪化した時にも、ほとんど観光客が訪れなかった時期があった。いつの世も、リスクをどう分散するかの知恵は必要になる。観光でも国や地域が偏ることなく広い視野とマーケットで取り組まなければならない。

 今年の秋の紅葉は鮮やかである。北関東の紅葉の穴場を数カ所訪れたが、いずれもいいタイミングで紅葉を堪能した。今、日本を訪れているインバウンド客の多くが紅葉の素晴らしさを堪能している。しかし、残念ながら、紅葉の名所ばかりに集中している。

 日本各地には素晴らしい紅葉スポットがある。誰からもカメラのシャッターを切られることなく輝いている。インバウンドのオーバーツーリズムの元凶は大都市や著名観光地への集中化にある。来てほしくても、訪れる人が少ない地方がほとんどである。

 地方の観光資源調査やガイドインストラクター等の受け入れ態勢整備やSNS等の情報発信が必要になる。増え続けているインバウンドオーバーツーリズム対策には地方の力が不可欠であり、それが、地域振興の起爆剤となる。

 
 
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