朝夕は冷え込み秋らしい気候になり、全国各地は紅葉の見ごろを迎えている。見ごろにはまだ早いが仕事で高知県と徳島県を訪ねた。
高知市内や祖谷渓、拠点となっている三好市のいずれもホテルや居酒屋にインバウンド客が入っていく。地方都市であるからか、日本語以外の言葉が通じないと思っているのか、片言の日本語を駆使しながらのれんをかきわけていた。21時と遅い時間からも飲み屋に入る人もいた。
ホテルでの朝。「いまチェックアウトはするが、夕方まで荷物を預かってほしい」という意味の英語だが、フロントの男性社員が理解できずに困っている。欧米人とおぼしき客がスマホの翻訳アプリを使って意思を伝えていた。
ホテルサービスの基本形であるので、それぐらいの業務用英会話は身に付けるべきである。
大都市や特定の観光地に集中しがちのインバウンドはオーバーツーリズムになっている。単に人数が多く集中しているだけの課題だけではなく、文化や慣習の違いで日本に合わない事象が起きている。
また、自分本位で危険や迷惑に対して意識の低い国や人間がいる。そんな人間は日本人でもいるのだが、ことさら外国人ともなると目に付くのかもしれない。「郷に入りては郷に従え」という言葉もあり、日本に来たからには日本の慣習や文化やモラルに合わせてもらうよう広報や告知をすることが必要である。
外国人だから仕方ない、言っても無理だろうと思う気持ちが蓄積すると、インバウンドは来ない方がいいという感情につながる。新政府でもその課題向けて対策が求められている。
しかし、地方へのインバウンドの波及はまだまだ少ない。むしろどうやればインバウンドが増えるのかの課題を持っている地方がほとんどである。そのことから、インバウンド客がほしい地域も、特定の地域に集中させず、地方に行ってほしいという政府も、効果的な情報発信が求められることになる。
同時に地域側は受け入れ態勢を整えることが求められている。地方に来てもらうためには旅の目的提案が不可欠となる。
そして、(1)観光資源の磨き上げ(2)自然を満喫したり、日本らしい文化などの体験交流プログラムコンテンツの整備(3)予約・精算・変更・案内など顧客と対応するコーディネート組織(4)当日プログラムを進行するガイド・インストラクターの養成とスキルアップ(5)宿泊施設食事施設・地産地消の地域色ある料理およびハラルやベジタリアン対応(6)レストランや居酒屋など飲食店の外国語表記や接客対応(7)飲食店の営業時間延長(8)タクシーやライドシェアの整備普及(9)地場産品や土産品の開発(10)それらの総合的な情報発信―などが必要となる。
しかし、その多くが手探り状態や、事があってからの対応となっている。政府のインバウンド対策に合わせて地方でも上記の(1)~(10)の受け入れ態勢整備に予算措置をして力を入れるべき時である。排他ではなく持続可能な共生には、受け入れ側がモラルや安全管理について遠慮なく伝えることだ。




