【旅館ホテルのおもてなし 92】食中毒③ 大谷 晃


 〇腸出血性大腸菌食中毒(O―157)(毒素型)
 近年よく耳にする食中毒です。原因菌はO―157:H7型という大腸菌の1種。産生されるベロ毒素は、腎臓や脳に障害を与える可能性があるほど強力です。
 
 発生多発時期:通年
 潜伏期間:4~8日
 主な症状:初期は腹痛を伴う下痢。悪化すると腸壁がただれ、出血により血性下痢になったりする。腎臓への影響で尿が排出されなくなり、やがて脳や神経にも作用し、意識障害を引き起こして短期間で死に至ったりする
 
 予防策:生野菜はよく洗い、食肉類は中心部まで十分加熱する。調理器具は十分に洗浄。熱湯または塩素系洗剤で消毒する。水道管直結以外の水を飲用しない。調理にも使わない
 
 ●ウイルス性食中毒の代表的なもの
 〇ノロウイルス
 ノロウイルスは細菌と違って食品の中では増殖せず、人の腸管内でのみ増殖します。通年発生する可能性がありますが、特に冬場に多く、生ガキによる食中毒の原因として知られます。
 
 発生多発時期:通年だが冬期に多い
 潜伏期間:24~48時間
 主な症状:激しい嘔吐(おうと)、下痢、腹痛、発熱、頭痛、筋肉痛、脱水症状を伴う場合もある
 
 予防策:吐しゃ物や糞便の処理では、消毒を徹底する。カーペットなどへの吐しゃでは、加熱と次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を行う。着衣にウイルスが付着しないように、ガウン、マスク、手袋を使用。終了後ビニール袋に密封して処分する
 
 *    *
 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。    

 
 
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