【体験型観光が日本を変える416】ゴールドコースト日記 藤澤安良


 隣国の国慶節で、日本への混雑を逃れて成田空港から直行便でオーストラリア、ブリスベン空港へ飛んだ。8時間半の時間距離で時差は1時間と海外旅行としては、実に行きやすい地域である。そこから約100キロのゴールドコーストが目的地である。

 サーファーズの地名が多く、文字通りサーフィンのメッカであり、四つのテーマパークと世界遺産探訪やマリンスポーツなどがそろっているリゾート地である。

 年中雨は少なく、晴れが多いと言われており、滞在中の5日間も全てが快晴で気温17~25度で湿度も低くとても過ごしやすい気候である。
 ネットから観光情報を探ると、テーマパークよりも世界遺産よりもマリンスポーツを含む自然体験プログラムの露出が格段に多い。観光の先進性を感じる。

 往復の航空機内も街中でも日本人の姿は少なく、そこそこの知名度があるホテルでも1人も出会うことがなかった。物価はハンバーガーとポテトとコーラで2400円、エビ入りのパスタが3千円と円安もあってか食費は高い。

 日本以外ですしは食べるものではないことは経験値として百も承知しているが、味やネタのクオリティは日本の回転ずしに近づきつつあるが、値段は3倍以上である。

 インバウンドにも好評な日本の回転ずしチェーン店は競争が激化しており、物価高の中にあってネタも味も進化がはなはだしい。企業努力に敬服するばかりである。帰国して、コスパの優れた回転ずし屋に行こうと決断することになる。 

 ミネラルウォーターは500ミリリットルのペットボトルが400円、同じく1リットルが380円、2リットルが100円と絶対量が多いほど安い。勝手に詮索するのだが、マイ水筒を持っている人が多いのは、プラゴミを減らそうとして、それが価格に反映し誘導しているのでないかと勘ぐったのである。

 市内をバスと路面電車が走っている。1回均一で大人約50円、公共交通機関の運賃が安いのは人の流れを活発にする。子育て世代の負担軽減にはとても有効な施策である。

 日本も間もなく普及することになるが、支払いは交通系ICカードや現金ではなく、クレジットカードをかざす方式でとても便利である。
 交通システムや食事やホテルなど海外旅行では、日本の良さの再確認と、他国から学び見習う点がたくさん見つかる。それが、海外旅行の醍醐味(だいごみ)でもある。

 しばらく、日本を離れている間に、高市氏が自民党総裁に決まっていた。参院選が終わり、国政の停滞が心配されるなか、3カ月がたとうとしている。

 物価を下げるのは、世界の潮流からしても難しく、手取りを上げる所得向上、つまりは、可処分所得の向上につながる政策が求められている。

 その家計事情が日本人の海外旅行の伸び悩みの原因でもある。旅行への動機は衣食住、学費、医療費を満たし、老後等の将来不安が払拭された後となる。首班指名がどうあれ、平和と暮らしの安心安全の上に成り立つ旅行産業が「衣食住旅」として国内外共に発展する政策に期待したい。

 
 
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