国土交通省は10月24日、今年8月に機長としての乗務前に飲酒し、その事実を隠ぺいするためデータを改ざんした日本航空の元機長に対し、航空法第30条に基づき行政処分を実施した。
航空局や日本航空によれば、元機長は今年の8月28日、ホノルル発中部行きのJL793便に機長として乗務予定であったところ、運航規程で「所定の場所に出頭すべき時刻の12時間前に体内に残存するアルコール量が4ドリンク相当より多くなる飲酒を行っては ならない。」と定められているにもかかわらず、乗務前日に運航規程を上回る過度な飲酒を実施。その事実を隠ぺいするため、アルコール検知器の検査日時のデータを改ざんするなどの行為に及んでいた。
飲酒により元機長は乗務できず、JL793便とその後続便は遅延している。航空局はこれを「飲酒に関する安全意識の著しい欠如を示す悪質な行為」とし、60日間の航空業務停止とした。
航空局では9月10日付で日本航空に対し行政指導(厳重注意)を行っており、これを受けて日本航空では9月30日、航空局に再発防止策を提出。今後は飲酒傾向管理の仕組みを中心に、外部専門家を交えて見直しし、11月末に改訂版を提出する予定だ。
日本航空では「二度と飲酒に関わる不適切事案を起こさないという強い意識のもと、グループ一丸となって社会とお客さまの信頼回復に全力で取り組んでまいります」としている。




