 
                          関西万博への会場には、大阪周辺のターミナル駅から、シャトルバスが運行されています。なかでも、大阪駅や難波駅などの主要駅から万博の西ゲートに直行する路線は、予約を取るのが難しい人気です。筆者も先日、新大阪駅からの午前便を利用してみました。1カ月前の販売開始時刻直後に、「関西MaaS」で予約したのですが、1時間後に確認してみると、もう売り切れていて、人気を実感しました。
当日、予約時間の15分前に新大阪駅の高速バスターミナルへ。ちょうどバスが入線するところでした。空港リムジンに使われている高速バス車両です。
運行を担うのは阪急観光バス。購入したチケットをスマホで提示して、乗車。車内にはリクライニングシートが並びます。チケットは売り切れのはずですが、姿を見せなかった客もいたようで、多少の空席を残して発車しました。当日券は販売していないようです。
この路線の魅力は、開業前の阪神高速淀川左岸線の2期区間全線を走行することです。新御堂筋で淀川を渡りきると、左手にゲートがあり、工事区間に入ります。1車線だけ仮設された車道を、速度を抑えめに走ります。一般車のいない道路をバスで走るのは滅多にできない体験です。万博訪問の非日常感もあって、気分が盛り上がります。
海老江ジャンクションを越えると開業済み区間となり、一般車が合流してきます。それでも道路は空いていて、渋滞もなく万博会場に到着しました。新大阪駅からの所要時間は30分程度。快適だったので、あっという間でした。
初めて万博に行ったときは、JR桜島駅からのシャトルバスを利用したのですが、乗るまで15分くらい行列し、満員の車内に詰め込まれて15分間立ちっぱなしでした。それに比べると、新大阪駅からのシャトルバスは、着席保証というだけで天国です。価格は片道1500円と高めですが、その価値はあるでしょう。
本来なら、こうした主要駅からのシャトルバスを多数運行して、訪れやすい万博にしてほしいところです。ただ、現実問題として運転士が集まらず、当初想定していたほどの運行本数が確保できなかったとも聞きます。
せめて、当日の空席については、現地で販売できるようにできないのでしょうか。輸送力不足のなか、人気路線に空席を残して走らせるのはもったいない、というほかありません。
(旅行総合研究所タビリス代表)

 
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
        



 
         
         
         
         
         
         
         
         
         
        