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KNT―CTホールディングスは17日、廃校を活用した「避難生活疑似体験プログラム」を企業、自治会、学校向けに発売した。15日には、群馬県桐生市の旧桐生南高校(現・KIRINAN BASE)で同プログラムを社員向けの災害研修として実施。有志の社員36人が参加し、安心・安全への理解を深めた。
同社は今年9月に創立70周年を迎え、その記念事業の一環で「廃校活用防災事業」を実施している。今回発売したプログラムもその一つで、有効活用が課題とされる「廃校」と「防災」を結びつけ、平時からの備えの見直しや防災意識の向上を促進している。
研修では、プログラムの監修を務める名古屋工業大学大学院の北川啓介教授、NTT東日本防災研究所(以下、防災研)の全面協力のもと、インスタントハウスや簡易トイレの組み立て体験、備蓄品に関する体験型ワークショップ、「災害食・サバイバルご飯作り」など、組織や個人の防災力を高める実践的な体験学習を行った。
プログラムの冒頭、北川教授と防災研の笹倉聡所長がセミナーを実施。避難生活の実態に加え、避難所生活の「心地よさ」や「快適さ」の向上に取り組む海外の先進事例などについて解説した。
このほか備蓄品のワークショップでは、防災研が避難所での物資配布の現状について解説。最新の防災テクノロジーを実際に体感できる「未来型の避難生活体験」も実施され、水作り・シェルター作り・発電サイクリング―の3テーマを15分ずつ体験した。
今後の展開について同社は、「『出張プログラム』として全国に展開し、地域ごとの防災課題に応じて体験内容をカスタマイズして実施する。防災の学びを広げると同時に、地域活性化にもつなげ、安心して暮らせるより良い社会の実現に貢献していく」としている。




