【体験型観光が日本を変える415】人は学び、しっかりした行動を 藤澤安良 


 10月1日は中国の国慶節の8連休が始まり、約23億人が移動するという。中でも海外旅行の人気ナンバーワンは日本だとして、早速1日の中国からの航空便は全部ほぼ満席になったとの報道。

 10年前と比べて中国の景気が悪く、若者の失業率も2割に迫っている。旅行先の日本でも爆買いから節約買いとなり、コンビニ弁当や立ち食いそばなどで食事を済ませたりと、1人当たりの消費額が半分以下になっている。日本にやってくるなら、日本で日本の良さを味わい楽しみ、抗日・反日ムードを払拭してほしいものである。

 その日本は値上げラッシュが続いている。自販機の飲み物も現在1本130円から170円ぐらいが主流だが、200円時代の到来というニュースが流れ、近くの自販機を確認したが、まだ変化がなかった。徐々に価格変更されるのではないかと思われる。

 過日はロサンゼルス空港でミネラルウォーター500ミリのペットボトルを5ドル(約750円)で購入した。それから比べるとまだ日本は安いと言えるが、賃金アップが追いつかないままの10月の3024品目値上げ、今年1年では2万381品目にもおよぶ値上げラッシュは国民の生活を圧迫することになる。

 自民党の総裁選でお休みしている感の政治は、政界の先行きが不透明ではあるが、誰がなろうと、どういう枠組みであろうと、参院選の民意である手取りや所得向上に待ったなしの状況であり、遅れを取り戻す起死回生の策が求められている。

 インバウンドは好調だが、日本人がどんどん旅行に出かけたくなるような機運が必要になる。観光推進にもいい影響を及ぼす政策を望みたい。

 前号で南知床を紹介したが、世界遺産認定後、初めての熊に襲われての死亡事故が起こった。全国で1万件を超える目撃情報があり死亡事故やけがをした人も増え続けている。

 北海道ではサケの不漁もあり、全国的には生息域のブナの実やドングリ等の木の実が不作である。松枯れでマツタケがどんどん取れなくなったように、ナラ枯れが北上しついに北海道まで到達した。ドングリが不足する原因でもある。

 したがって、餌を求めて人間の生活圏に現われることになる。

 知床などの大自然地域では、人間が熊の生息域に足を踏み入れている。道路上のレンタカーから熊に向かってパンを投げた人を見たことがある。餌を与えたり餌になるようなものを放置したりせず、熊との距離をとるなど共生のルールを守らなくてはならない。

 紅葉の季節が始まろうとしている中、札幌や東北などの市街地にも現われ続けている。いわゆるアーバンベアである。残飯ゴミ処理、家畜の保護、戸締りなどで市街地には食料がないことを熊に学ばせることが必要である。

 熊より知能が優れているはずの人間がもっと学び、しっかりした行動をとらなければならない。

 近々の課題は所得だとしても、人間の暮らしにあらゆる影響を及ぼしている地球温暖化の問題は、先送りしてはいられない世界的な課題である。

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒