ネクストリーダーズ札幌、最優秀賞に「けっぱれ!」チーム 高付加価値化を研究


最優秀賞を受賞した「けっぱれ!」チーム

最優秀賞を受賞した「けっぱれ!」チーム

 宿泊業などの次世代を担う若手が業界の課題に提言する「ネクストリーダーズ」の発表会が9日、札幌市内で開かれた第8回「観光・ホテル・外食産業展HOKKAIDO2025」(日本能率協会主催)のプログラムとして開催された。「ホスピタリティ産業が5~10年後、日本の基幹産業となるための戦略構築」が共通テーマ。6チーム33人が研究成果を発表した。コンテスト形式で審査が行われ、最優秀賞には、「ポテンシャルの最大化。超高付加価値体験の提供で、ホスピタリティ産業を盛り上げる」をテーマに研究した「けっぱれ!」チーム=写真=が選ばれた。

 宿泊業、外食業などの20~30代の若手がチームに分かれ、研究、議論した成果を発表。総合ファシリテーターは東洋大学国際観光学部准教授の徳江順一郎氏。コンテストは札幌、東京、大阪、福岡の4会場で行われ、各会場で最優秀賞に選ばれたチームは、来年2月に東京で開催されるHCJ(ホテル・レストラン・ショー)で行われる全国大会に進出する。

 最優秀賞に選出された「けっぱれ!」は、千葉雄介氏(第一滝本館)、佐藤響子氏(仙台ロイヤルパークホテル)、角猛志氏(北海道観光機構)、岡本美咲氏(札幌パークホテル)、タン・チョー・ライン氏(鶴雅観光開発)で構成。

 「けっぱれ!」は、離島や自然といった環境資源、伝統文化などは、ポテンシャルは高いが観光資源としてあまり活用されていないと指摘。その原因として、都市部に観光客が集中していることと、地方へのアクセスの利便性の悪さに加え、情報発信の不足、知名度の偏りなどを挙げた。

 発表では、日本の基幹産業の一つ、自動車産業の市場規模は年間約62兆円で、これに対しホスピタリティ産業は約38兆円と約1.6倍の規模に成長させる必要があり、この成長には高付加価値体験、つまり高単価な体験の提供が有効と説いた。

 想定されるターゲットとして世界で2340万人とされる1回の旅行消費額が100万円以上の富裕層を挙げ、この層は、日本独自の伝統文化などを好み、高付加価値体験を求めているとした。具体的には北海道が誇る壮大な自然や、きれいな景色を、プライベートヘリで空から周遊するツアーなどを提案した。

 徳江氏を委員長とする審査員は「標的とする市場を高付加価値観光に定め、問題意識をしっかりと明確化した」「日本を豊かに元気にする、という高い志を持って取り組んでいる」などと評した。会場の聴講者の投票と併せて最優秀賞に選ばれた。

 優秀賞には2チームが選ばれた。「はやぶさ」と「福袋」チームは、それぞれ、「日本の観光GDPを伸ばし、ホスピタリティ産業を日本の基幹産業へ!」「世界を惹(ひ)きつける!文化でつなぐストーリー」をテーマに発表した。

 優秀賞のチームのメンバー、徳江氏以外の審査員は次の通り(敬称略)。

 はやぶさ=村上英里(ザ ロイヤルパーク キャンパス札幌大通公園)、佐藤卓(ルスツリゾートホテル)、木田和宏(マツオ)、佐藤光樹(第一滝本館)、横地麻美(札幌プリンスホテル)、中野哲太(しこつ湖鶴雅リゾートスパ水の謌)

 福袋=押岡明花(森のスパリゾート北海道ホテル)、小林千尋(ホテルモントレ エーデルホフ札幌)、ジョンドンヒョン(第一滝本館)、岩舘晴香(仙台ロイヤルパークホテル)、松浦遼(定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌)、近藤圭一(ホテルクレッセント旭川)

 審査員=杉浦康広(目白学園目白大学短期大学部准教授)、内田純一(北海道国立大学機構小樽商科大学教授)、荻麻里子(札幌国際プラザ コンベンションビューロー部長)、加森万紀子(加森観光事業開発室長)、中村智(北海道観光機構専務理事)、本田敏人(京王プラザホテル札幌社長)

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