【体験型観光が日本を変える410】ジャングリア沖縄に行ってみた 藤澤安良


 学校の夏休みの終わる間際の平日、沖縄県北部の今帰仁村に7月25日にオープンした「ジャングリア沖縄」に行った。スコールのような雨が降る中、10時30分に到着した時点で駐車場にはすでに約600台の車があった。

 パークは広大な丘陵地帯で坂道もあり、もとよりターゲットにはされていないと思うが高齢者には負担がかかる。もともと、定員が少ないアトラクションが多く、時間当たりの消化人数が少ないため、プレミアムパスや整理券確保で優先されているが、さもなければ待ち時間も長い。

 さらには、年齢、体重、身長制限があり、子供には大人の同伴や体験同意など制限がある。これらは、安全対策上の必要である。

 雨の中で一番人気のプログラムであるダイナソーサファリは、装甲車に乗り、草食恐竜のいるジャングルを進むと最凶の肉食恐竜T―REXに遭遇するというものである。没入感がある子供たちは、驚きおもしろかったようだが、私のような白けた大人は演出課題が見つかってしまう。

 アウトドア体験が中心なので、雨や日照に対しては傘のレンタルが常備してあるが、雨風には対応できない場合がある。オープンして1カ月なので改善課題はたくさんあるが、テーマパークのTDRやUSJに近づき、沖縄北部の観光振興の起爆剤となることを期待したい。

 そんな事情もあり、30分で到着する恩納村北部のビーチリゾートに宿泊した。プライベートビーチとプールがあり、マリンスポーツアクティビティもそろっている。夏の沖縄には打ってつけの宿である。マリンアクティビティは当日受け付けも可能であり、旅程の空き時間に利用できる。滞在型リゾートの必須条件でもある。

 那覇市の国際通りは夕方から夜遅くまでにぎわっていた。見た目には半数がインバウンドである。残りの3割は地元民で、残念ながら日本人観光客は多いとは言えない。

 ホテルの朝食は、沖縄に限ったことではないが、いずれも出来合いの総菜が並び、ノルウェーのサバとサーモンが出ている。コンビニで好きなものを買って食べた方がいいと思う人が増加している。そんな需要と供給の拡大は、コンビニの研究開発競争に拍車がかかることになる。

 つまりは、お客のニーズや潜在欲求にどれだけ近づこうとするか。変わり続け、進化し続ける企業が業績を上げることになる。

 サービス業の深刻な課題は人材不足である。宿泊施設や飲食店での外国人労働者が目立っている。よく動き、よくコミュニケーションをとり、愛想よく能動的に働いている外国人を多く見る。

 気転や気が利かない、モチベーションが低く要領が悪く、お客のニーズにも合わせられない日本人がなんと多いことか。

 また、マニュアル人間という言葉があるが、何が起こっても対応できるマニュアルはない。不具合は起こり続ける。それを、お客のニーズに近づけ、顧客満足度を高めるためには、修正訂正し続けなければならない。変わり進化し続ける組織が、業績が向上し生き残ることになる。

 
 
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