
日本政策金融公庫は、サービス業、飲食業に向けた冊子「人材定着ハンドブック」をこのほど作成した。スタッフの定着率を高めるための工夫やポイントを分かりやすく解説している。人手不足で悩む経営者の参考になりそうだ。
離職要因は「人間関係」「キャリアアップ」「労働条件」
冊子はまず、厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果」を紹介。それによると、従業者が前の勤め先を辞めた理由で最も多いのが「職場の人間関係が好ましくなかった」(16.1%)で、「労働時間、休日等の条件が悪かった」(14.0%)、「給料等収入が少なかった」(11.1%)、「仕事の内容に興味を持てなかった」(9.0%)などが続いた。
冊子ではこれらの調査結果から、退職の主な原因を「人間関係」「キャリアアップ」「労働条件」の三つに大別できるとして、それぞれの項目について社内でどう取り組むべきかを具体的に伝えている。
ハンドブックの表紙
【人間関係】
「スタッフとの良好な関係を築くには、あいさつや普段の何気ない会話がとても重要」と、スタッフへの積極的な声かけを訴える。「出勤時のあいさつ」「感謝を伝える」「不安そうなら寄り添う」「小さな成長を認める」など、10のチェック項目に加え、「相手の顔を見て話す」「なるべく敬語を意識する」「笑顔を忘れずに」と、三つの「コツ」を示した。
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