【交通トレンド分析301】東海道新幹線、キセル発生で今後も自由席の検札は必要 鳥海高太朗


 私自身は頻繁に東海道新幹線を利用しており、東京駅を起点に大阪、京都、名古屋、静岡などへ向かう際に利用している。特に静岡へはレギュラーの番組出演があることから、毎週のように往来している。

 特に東京発において「ひかり」や「こだま」を利用する場合、自由席より利用することも多いが、時々ではあるが、指定席では原則廃止となった車内検札が行われている。いわゆる切符の拝見である。

 指定席については、自動改札機を通過した時点で、乗車しているかどうかの把握が可能となっており、車掌が端末を使って確認することが可能となっている。本来は、空いている場所に、乗客が座っているときに限って切符を確認されることとなる。よくあるのは列車間違いであり、間違えて1本前や1本後ろに乗車してしまったことに気づかずに、車掌から指摘されるケースもある。自動改札機の導入などもあり、以前に比べると「キセル」と呼ばれる無賃乗車は減少傾向にある。

 新幹線利用者は、入場券を除けば最低でも自由席に乗れる新幹線特急券を持っていることにはなるが、こだま号限定の「ぷらっとこだま」や外国人観光客が多く利用している「ジャパンレールパス」(のぞみ号利用時には自由席でも追加料金が必要)など列車が限定されている場合もあるほか、入場券でも新幹線ホームに立ち入ることができることもあり、正しい乗車区間を確認するという意味合いもあるだろう。

 そんな中、先日、大学生を中心に大阪・関西万博会場内のグッズショップで、万博の公式キャラクター「ミャクミャク」のグッズを万引きしたとして逮捕されたニュースがあったが、東京から新神戸までの往復の新幹線についてもキセルしていたとのことだ。報道によると、万博へ向かうのに、便利な新大阪駅よりも、隣の新神戸駅の方が無賃乗車がバレにくいことから新神戸駅を利用したとのことだ。具体的な方法については不明だが、実際にキセル行為を許してしまったということだ。

 そういった点も含めて、確実に自動改札機を通過している指定席以外の自由席や立ち席で乗車している乗客に対しては一定の検札は必要だろう。私の感覚では10回乗車して1回程度ではあるが、今回の事件をきっかけに増える可能性も考えられる。

 ネット予約「EX予約」の場合は改札機で出てくる「EXご利用票」を見せれば大丈夫なルールになっているので、改札機通過後に無くさないようにいつでも出せるようにしておくのがいいだろう。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
 
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