
神和苑の開放感ある露天風呂
観光業界が直面するさまざまな課題解決へ
大分県別府鉄輪温泉の「山荘 神和苑(かんなわえん)」は、新日本コンピュータサービスのPMS「MACRA」のクラウド版を導入。館内作業の円滑化、合理化を実現している。
1万坪以上の広い敷地に宿泊棟と湯どころ、食事どころのほか、能や狂言を上演する能楽堂、かやぶき屋根の茶室を備えるなど、和の設備が充実している同館。30室の客室全てに源泉掛け流しの内風呂を備える。2019年は新館「宙(そら)館」(20室)がオープン。料金を神和苑の1割ほど割安に設定しているが、神和苑と遜色ない高級感で「コスパがいい」と利用者から評判だ。
神和苑の開放感ある露天風呂
MACRAは、この宙館のフロントに自動精算機を導入するのに合わせて、PMSの見直しも図ろうと、さまざまなシステムを検討した中で、「最もメリットがあるシステム」と導入されたものだ。
予約情報について、サービスに関する顧客の要望をほぼ際限なくインプットできる。「現場での情報不足によるクレームがなくなったほか、請求管理もミスなくスムーズにできるようになった」(同館・押川洋一支配人)。
各種オプションシステムも活用。調理場のビジョンに当日の料理に関する情報を映し出す「調理場インフォメーションシステム」は、人数の変更があった際のフロントと調理場間の情報伝達ミスや、情報を伝達するためにスタッフが館内を行ったり来たりするなどの難点を解消した。
売店のレジとPMSもシステム連動。今までは買い物の代金を部屋付けにした際、レシートの金額をPMSに手入力していたが、その作業が不要になった。
宙館に導入された自動精算機も効果を発揮。チェックアウトをする顧客の集中が緩和され、現場ではフロントの要員を削減したり、他の作業に振り分けたりすることができるようになった。