
かつてないほどの猛暑に見舞われている今年の夏。全国の温泉・観光地の宿の入り込み状況はどうか。各地の経営者に聞いた。
「4月まで好調、5月は持ちこたえたが、6月以降かなり苦戦をしている」。こう語るのは関西地方の温泉地のA旅館。要因について「万博の影響が大きいと感じる。関西から1泊圏であり、旅行先として競合。9月以降、復調していることを考えると、猛暑の影響もありそうだ。インバウンドのお客さまから『日本の夏は暑すぎるので避けた方がよい』とアドバイスがあったと聞いた。売店の売り上げが減っているのは物価高騰の影響ではないかと予測している」。
同じ関西地方のB旅館もこの夏の不調を訴える。「6、7、8月と不調が続いている。客単価が上がっている中での売り上げ減なので、明らかに集客不足。昨年対比、一昨年対比ともに減少」。
要因はA旅館と同様に猛暑と万博、経済的事情を挙げる。「暑さ報道が第1因、万博が第2因、先行きの不透明感(経済的理由)が第3因と考えている。暑さに関しては、運営する道の駅の集客数も落ち込んでいること。万博は、本来この時期増えるはずの関西圏のお客さまの割合が明らかに落ち込んでいることから推察できる。先行きの不透明感は、家族連れの落ち込みから。20~30代の核家族の動向にあまり変化はないが、3世代利用が減っている」。
会員向け記事です。