JTB、訪日客向けの滞在型観光モデル実証事業を10月に開始 箱根・河口湖エリアでバスツアー


 JTBは、訪日外国人観光客を対象とした滞在型観光モデルの実証事業を富士箱根エリアで10月から開始する。現在、訪日客が箱根と河口湖を周遊するにはレンタカーか、複数の鉄道・バスの乗り継ぎが必要。周遊の利便性を高め、滞在時間を延ばし、地域での消費を拡大するため、両エリアを結ぶ英語ガイド付きバスツアーを運行する。

 両エリア間の交通の不便さは、首都圏発の日帰りツアー化や、どちらか一方の滞在という旅行につながりやすい。東京を経由せずに両エリアを結び、宿泊を軸に新しい広域回遊ルートと滞在スタイルの実現を目指す。

 バスツアーは、訪日旅行を専門に取り扱うJTBグローバルマーケティング&トラベルが、訪日客向け国内パッケージ旅行「サンライズツアー」として運行する。

 8月22日から販売。10月2日~12月25日に計39回催行する。乗降地は、箱根エリアが箱根湯本、小涌谷、強羅、仙石原、河口湖エリアが河口湖駅。車窓からの展望や観光ガイドの魅力もPRする。料金(税込み)は往復1万7千円、片道9千円。

 実証ツアーについて富士河口湖町観光連盟の山中秀樹事業部長は「河口湖と箱根という人気観光地が、訪日旅行者にとって分かりやすく快適につながる仕組みが試行されることは、大きな前進だ。双方向の人流が生まれ、面的な回遊が進むことを期待している」。

 箱根町観光協会(箱根DMO)の佐藤守専務理事は「JTB神奈川西支店が宿泊施設と丁寧に対話しながら共に組み上げたもので、訪日旅行者が『箱根に泊まる目的』を見いだし、旅マエから連泊を検討していただけることを期待している」。運行期間中に、箱根で働く外国人スタッフによるモニター体験を行うことについても歓迎した。

 JTBは将来的に、広域回遊ルートを静岡東部の熱海や伊豆へと拡大し、富士山麓から海沿いまでをつなぐ回遊ルートの構築を目指す。「旅行者が複数の拠点に宿泊しながら、豊かな体験を積み重ねる新たな滞在型観光を構築し、同様のモデルを全国の観光地でも展開していくことを検討している」とする。

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒