
ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)は8月26日、外国人旅行者向け消費税免税制度の廃止による影響について調査結果を発表した。小売関連7団体が共同で実施した調査によると、制度廃止で訪日外国人は年間695万人減少し、消費額は2.1兆円以上減るとの試算結果が明らかになった。訪日観光回復に水を差す可能性。
上位5地域だけで514万人減、1.4兆円の消費減
調査は全国免税店協会や日本百貨店協会など小売関連6団体とJSTOの計7団体が共同で実施。訪日消費の多い韓国、台湾、中国、香港、米国の5地域の海外在住者で訪日経験または訪日意欲のある3,258人を対象にオンラインアンケートを行った。
この5地域は2024年の訪日外国人全体の73.9%(人数)、消費額の65.6%を占めている。調査では消費税免税制度廃止後の訪日意欲や消費行動の変化を質問。結果を基に年間訪日客数と消費額への影響を推計した。
分析結果によると、制度廃止により対象5地域からの訪日客は年間514万人減少。消費額も年間1兆4,304億円減少すると予測される。これを全世界に拡大して推計すると、訪日客数は年間695万人の減少、消費額は年間2兆1,804億円の減少につながる見通し。
今回の調査は7月18日から25日にかけて実施。セルフ型アンケートツール「Surveroid」を用いたオンライン調査方式を採用した。
調査結果の詳細はジャパンショッピングツーリズム協会の公式サイトで公開されている。