
東京都と淑徳大学が連携して推進する「地域が誇る自然資源を活(い)かした観光経営人材育成講座」の令和7年度受講生募集を、近ごろ開始した。
観光関連の活動や事業に従事する・従事したい方、自然資源を活かしたツーリズムで観光まちづくりを志す方・興味がある方で、東京都在住・在勤者を対象に、無料で受講できる。
それが、初回となった昨年度を上回るペースで、多くの方々から受講申し込みをいただいており、うれしい悲鳴に。定員に達し次第、締め切る予定だが、対面会場の拡張なども検討したいと考えている。
申込者の属性をみると、観光業界以外のひとも少なくない。自然資源を活かしたツーリズムへの関心の高さ、裾野の広がりを実感している。
リピーターも大歓迎の本講座。対面受講のあとの会費制のオフ会が去年、熱気むんむんだったから、今年も実施するつもりだ。本講座の受講をきっかけに、大きな輪ができ始め、場づくりの提供にもなっているようだ。
今年は講座回数を、全10回から12回へと増やした。事例研究には沖縄のほかハワイを。また、環境省の自然保護官や国立公園管理官の方々にも協力を仰ぎ、より実践的な学びを追究した。
ツーリズムは、座学だけでは伝えきれないことが多い。経営人材の育成とあれば、なおさらだ。そこで昨年度、好評だった東京・青梅「みたけ山ネイチャー体験(日帰り)」に加えて、新たに1泊2日の「尾瀬ネイチャー体験」を用意した。
群馬・片品村(梅澤志洋村長)と東京パワーテクノロジーの協力のもと、秋の尾瀬ヶ原で間伐体験や外来生物除去を学ぶ。言わずもがな、尾瀬は自然保護運動発祥の地。しかもフィールドワーク催行の9月は、星野リゾート初の山ホテル「LUCY尾瀬鳩待」が開業するころで、最新情報も得られそうだ。
こうしたフィールドワークの候補地選定は、実は自身が縁する(すなわち、応援する)自治体でもある。
青梅市では「おうめ観光戦略推進懇談会」の会長を、片品村では「尾瀬かたしな未来構想委員会」の座長を拝命しており、自らが太鼓判を押してプログラムに導入した経緯がある。
自然との共生をはかりながら持続可能な観光を推進しようと、日々、奮闘する自治体の人たちの姿を、ぜひ多くの受講生の方たちにも知ってもらい、これからのツーリズム推進に活かしてもらいたいと考えている。
ちなみに3カ年事業の本講座は、来年度が仕上げの年になる。そこで、フィールドワークのアドバンス・コースとして「みちのく潮風トレイル」の新たな導入も検討している。調整はこれからだが、やはり自身が岩手県「いわて観光立県推進会議」の委員を務めているので、三陸沿岸を第一候補に考えている。お楽しみに。
最後に一つ、重要なインフォメーションを。さまざまなご事情で、通学による座学の受講やフィールドワーク参加ができない方もおいででしょう。受講登録者は、後日、淑徳大学YouTubeチャンネルで動画視聴ができ、見逃しがないことを申し添えます。
(淑徳大学経営学部観光経営学科学部長・教授 千葉千枝子)