
帝国データバンクによると、今年5月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は835件で、前年同月比17.8%減少した。2022年4月以来、3年1カ月ぶりに前年同月を下回った。ただ、前月比は1.1%増加。「緩やかな増加ペースは継続」と同社。
負債総額は前年同月比25.9%、前月比7.1%それぞれ減少の933億8800万円。2カ月ぶりに前年同月を下回った。
件数を8の業種別に見ると、21年8月以来、3年9カ月ぶりに全業種で前年同月を下回った。
サービス業が220件と最も多いが、前年同月比9.8%減と5カ月ぶりに減少した。このうち「旅館、その他宿泊所」が同50.0%増の6件。「娯楽業」が同35.7%減の9件。
運輸・通信業は同33.3%減(36件)と減少率が最も高く、7カ月連続で減少した。
全国9地域別では四国が前年同月比増加(6.3%増の17件)、東北が前年同月並み(61件)で、ほかの7地域は減少した。
中国が26.4%減(39件)と減少率が最も高かった。
ゼロゼロ融資後倒産は63件判明。前年同月比20.3%減と2カ月ぶりに減少した。
人手不足を要因とする人手不足倒産は27件判明。前年同月比12.9%減と2カ月ぶりに減少した。業種別ではサービス業が10件と最も多い。1~5月の累計は164件と、過去最多となった前年同期(149件)を上回っている。
同月の負債額が多い主な倒産は、旅館・ホテルなど観光関係は報告されていない。