
「食と暮らしの未来ウィーク」初日に「ラテンアメリカとカリブ海のコーヒーとカカオをひとくち」イベント開催
ペルー共和国は6月5日、大阪・関西万博2025の「食と暮らしの未来ウィーク」初日に開催された特別イベント「ラテンアメリカとカリブ海のコーヒーとカカオをひとくち」に参加した。ボリビア多民族国家、ドミニカ共和国、パナマ共和国と共に、コーヒーとカカオの魅力や持続可能な取り組みを紹介。自国のカハマルカ地域産アラビカ種コーヒー200杯とカカオを使用したチョコレート100個を一般来場者に提供し、長蛇の列ができるほどの盛況となった。
アラビカ種100%の高品質なコーヒー産地
イベントでは「雇用創出におけるコーヒーとカカオの役割」「女性のエンパワーメント」「循環型経済における副産物の再利用」などをテーマにしたラウンドテーブルディスカッションとテイスティングが行われた。
ペルー政府代表のダニエル・カベロ氏は、ペルーのコーヒー産業について「アラビカ種100%の高品質なコーヒーの産地として知られており、28の気候帯と39の生態系を有する豊かな自然環境の中で、標高1,200〜2,300メートルの高地にて栽培が行われている」と説明。生産の95%以上が小規模農家によって担われ、フェアトレードやオーガニック認証の取得を通じて国際市場との接点を広げていることを強調した。
世界最古のカカオ原産地の一つ
カカオについては、ペルーにおいて非常に重要な役割を担っていることが紹介された。近年の研究によると、ペルーのアマゾン地域では5,300年以上前からカカオが認識され、栽培・利用されていたことが明らかになっている。また、儀式的な用途としても用いられていたことが確認されており、これらの研究成果はペルーが世界最古のカカオ原産地の一つであることを裏付けるものだ。
持続可能な農業の取り組み
ペルー代表はさらに「Coffees from Peru」ブランドの活動や、オーガニックを超えたバイオダイナミック農法を取り入れる「Chacra D’Dago(チャクラ・ディ・ダーゴ)」の事例を紹介した。在来樹木の再生、排水の管理、太陽光発電の活用など、再生型農業への取り組みや、同農園が2025年のSCA(スペシャルティコーヒー協会)サステナブル・アワードのファイナリストに選ばれていることの説明に、多くの関心が集まった。
イベント概要
イベント名は「ラテンアメリカとカリブ海のコーヒーとカカオをひとくち」。開催は第1回が2025年6月5日(木)14:30〜16:30で、会場は大阪・関西万博会場のCommon-C中央ステージ。主催は「食と暮らしの未来ウィーク」テーマウィーク事務局。6月5日の参加国はボリビア多民族国家、ドミニカ共和国、パナマ共和国、ペルー共和国だった。