【EXPO2025特集】大阪・関西万博で梅干しに思い託す 「食のタイムカプセル」2050年に配布


漬け作業をする紀州梅の会(若梅会)の皆さん

漬け作業をする紀州梅の会(若梅会)の皆さん

 大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「EARTH MART」(テーマ事業プロデューサー=小山薫堂氏)で6日、展示コンテンツの一つである梅干し「万博漬け」の漬け作業を開始するにあたり、同館の前で記念式典が開かれた。小山氏をはじめ関係者が一堂に会し、仕込みの様子を披露。25年後の2050年に来館者に配布し、万博の思い出を未来へと託す「食のタイムカプセル」を実現する。

 冒頭あいさつした小山氏は、最先端技術・システムの展示が万博会場で目立つ中、自館では日本古来の食材も紹介していることに触れ、「未来を見つめるには、過去の大切なものを見つめ直し、その価値に気付き、未来に持っていく(必要がある)」とコメント。その上で、「電気を多く使うこの時代に、塩だけで数十年間食料を保存することができる。日本人にとって当たり前のことかもしれないが、海外の人から見れば『フードテック』だ。それを演出することにした」と趣旨を説明した。

 漬ける梅は、和歌山県内で今年収穫された青梅1トン。使用する塩200キロ(塩分濃度20%)には、小山氏の故郷・熊本県天草市産の天然塩「あまくさンソルト」を採用した。

漬け作業をする紀州梅の会(若梅会)の皆さん
漬け作業をする紀州梅の会(若梅会)の皆さん

 万博漬けの保管を担う紀州梅の会の真砂充敏会長(和歌山県田辺市長)は、養分に乏しい砂利質斜面を活用した独自の農業システム「みなべ・田辺の梅システム」を紹介し、「世界農業遺産に登録されてからちょうど10周年。今年も良い梅を届けたい」と呼び掛け。馬場昭治天草市長は「天草は東シナ海、有明海、八代海の三つの海に囲まれた島。ミネラル分豊富な塩は何よりも甘い」とアピールした。

 式典では、登壇者が「南高梅」「あまくさンソルト」の掛け声とともに1たる分の仕込み作業を公開。小山氏が手掛けた熊本県のPRキャラクター「くまモン」と和歌山県の同「きいちゃん」も駆け付け、会場を盛り上げた。
 仕込みを終えたたるは式典終了後、同館に展示された。今後も順次展示され、7月ごろには梅の香りが館内いっぱいに広がる様子を楽しめる。

記念式典に出席した関係者一行(後列中央=小山氏)
記念式典に出席した関係者一行(後列中央=小山氏)

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒