
観光庁の秡川長官(18日)
5月の訪日外国人旅行者数は369万3300人で前年同月比21.5%増となった。日本政府観光局(JNTO)が18日に発表した推計値。5月として過去最高を更新した。ただ、観光庁、JNTOの重点23市場の中で唯一、香港は前年同月比でマイナスとなった。香港では、日本で地震が起きるという科学的な根拠のない情報がSNSなどで拡散しており、その影響が出た可能性がある。
5月は桜シーズンと夏休みシーズンの間で、多くの市場で訪日需要が落ち着く時期だが、祝日やスクールホリデーなどに伴う需要の高まりがあり、インドで単月最高を記録したほか、韓国、中国、台湾、米国など21市場で5月として過去最高を記録した。
ただ、香港は19万3100人で前年同月比11.2%減となった。
香港における科学的な根拠のない情報の拡散について、観光庁の秡川直也長官は18日の記者会見で、「気象庁や内閣府は、現在の科学的な知見からすると、日時や場所を特定した地震予知は科学的に困難ということを明確に発表している。観光庁ではJNTO香港事務所を通じて、旅行を判断する際には公的な機関が出している科学的な情報を参考にするよう発信している。今後の状況に注視しながら、必要があれば、さらに情報発信などを行っていく」と述べた。
秡川長官は、日本で地震が起きるという科学的な根拠のない情報の訪日旅行への影響は、他の国・地域では見られないと指摘している。
5月の主な国・地域の訪日旅行者数(カッコ内は前年同月比)は次の通り。
韓国82万5800人(11.8%増)、中国78万9900人(44.8%増)、台湾53万8400人(15.5%増)、 米国31万1900人(26.3%増)、タイ10万8100人(11.0%増)、豪州7万8900人(18.7%増)など。
観光庁の秡川長官(18日)