
中国の翻訳業界は現在、人工知能(AI)によってもたらされる大変革の最中にある。
AI翻訳が商用化加速と教育高度化
遼寧省大連市で4月24日に開幕した2025中国翻訳協会年次総会で発表された「AIと翻訳報告」によると、AI翻訳技術はすでに実験室から出て、大規模に商用化されており、その応用シーンは、越境ビジネス・貿易、文化・交流、教育・医療といった複数の重要分野をカバーしている。
近年、大規模言語モデルをはじめとするAI技術が、非常に高い意味理解能力、文脈認識能力、マルチモーダル処理能力により、翻訳技術の飛躍的発展を推進している。これらのモデルは、テキスト翻訳という面で顕著な成果を上げているほか、音声や画像、動画といったコンテンツを同時に処理することができ、マルチモーダル翻訳を実現している。
2024年末時点で、中国の「機械翻訳」、または「AI翻訳」を主業務としている企業は前年比で706社多い1545社に達した。また、AI翻訳技術は、さまざまなシーンで応用できる製品に幅広く組み込まれ、スマート翻訳デバイスが雨後の筍のように出現し、翻訳業界をスマート化とシーン化の新たな高みへと引き上げている。
AI技術の推進に伴い、中国の翻訳教育も全面的な高度化を迎えており、「翻訳+技術」を融合させた複合型人材育成スタイルが形成されている。多くの大学は翻訳技術カリキュラムを開設し、外国語だけでなく、技術も習得した複合型人才育成に取り組んでいる。また、一部の大学は、翻訳学科とコンピューター科学・技術学科、AI学科を組み合わせ、2つの学位を取得できるダブルディグリー・プログラムを展開している。
中国の翻訳業界は現在、人工知能(AI)によってもたらされる大変革の最中にある。
(記事提供:人民日報海外版日本月刊)