
JNTO市場横断プロモーション部の藤内大輔部長
国内外のオンライントラベル関係者が集まる国際会議「WiT(ウェブ・イン・トラベル)ジャパン&ノースアジア」が5月26、27日の2日間、ウェスティンホテル東京(東京都目黒区)で開かれ、多数の講演、セッションが展開された。AIをはじめとする「トラベルテック」のキーパーソンが多数登壇し、自社の業況や旅行動向の分析、旅行ニーズの変化や今後の旅行トレンドの展望などについて意見を交わした。
27日には、日本政府観光局(JNTO)市場横断プロモーション部の藤内大輔部長が登壇。JNTOが推進する「訪日マーケティング戦略」のうち、高付加価値旅行やアドベンチャートラベルでの誘客に向けた取り組みを紹介した。
藤内氏は冒頭、JNTOについて、世界中の観光客を日本に誘客し、国際交流を促進することが組織のミッションだと説明。それらを達成するため、世界26カ所の海外事務所では航空会社やメディアなどと協力体制を築き、その市場を分析して効果的なプロモーション活動を行っていると紹介した。
続いて、観光立国推進基本計画の三つの基本方針「持続可能な観光地域づくり戦略」「インバウンド回復戦略」「国内交流拡大戦略」に言及。同計画と同様に2023年度から25年度までを策定取り組み期間とする訪日マーケティング戦略も紹介し、「高付加価値旅行」「アドベンチャートラベル」「大阪・関西万博」を市場横断的なマーケティング戦略に設定していると説明した。
高付加価値旅行について藤内氏は、昨今の訪日客の特徴について説明。「高付加価値旅行の訪日客は、少なくとも1回の旅行につき1人当たり100万円以上を支出している。これは航空費用を除いた金額。また、非常に知的好奇心が高いという特徴もある。地域の伝統、文化、自然などを体験して地域の理解を深めることを重要視している」とし、こうしたターゲット層に対する誘客の取り組みとして、地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりの14モデル観光地や、高付加価値旅行の商談会「Japan Luxury Showcase」を紹介した。
アドベンチャートラベルについては、23年9月に開かれた「アドベンチャートラベル・ワールドサミット北海道・日本」(ATWS2023)を紹介。アジア初となった同イベントには、64カ国・地域が参加したと報告した。「24年のATWSは、10月にパナマで実施した。JNTOではジャパンラウンジを設置し、アドベンチャートラベルのデスティネーションとして13社の日本のセラー、DMCとともに宣伝を行った」と説明した。
藤内氏は、「高付加価値旅行やアドベンチャートラベルで国内に誘客することは簡単なことではないが、魅力的な観光地は国内のどの地域にもある。皆さまのご理解、ご支援をこれからもお願いしたい」とあいさつした。
JNTO市場横断プロモーション部の藤内大輔部長