EV充電サービスの導入決定 東京・日本橋「ホテルかずさや」 テラチャージの急速充電器 都のインフラ網整備に協力


ホテルかずさや全景

 東京・日本橋にあるホテルかずさやは、電気自動車(EV)向け充電サービスを導入する。このサービスは、Terra Charge(東京都港区)提供の「Terra Charge(テラチャージ)」で、50キロワット出力急速充電器1口の導入を年内中に予定する。
 
 2020年7月に全館リニューアルを実施した同館は、創業から130年を超える歴史を持つ。JR新日本橋駅から徒歩1分という絶好のロケーションで、普段は出張ビジネスマン、週末は他県の観光客に加え、年間問わず多くのインバウンド客でにぎわう。
 
 2階にある大浴場「時の湯」は、黒を基調とした落ち着いた空間の中に、木目調の天井や、光目隠し格子壁を取り入れ、江戸の風情を表現した。季節ごとに「しょうぶ湯」「ゆず湯」「りんご湯」などを実施し、宿泊客を喜ばせている。
 
 1階にあるレストラン「時の鐘」では、和食の料理長と、洋食のベテランシェフが創作する和洋折衷の料理を提供する。
 
 経済産業省はEV充電器の設置を「30年までに30万口」(24年3月時点は約4万口)を目標に掲げている。Terra Chargeによると、「長距離走行後に到着し、滞在時間が長い施設」として、宿泊施設などでEV充電器の設置ニーズが高まっており、30年には、出掛け先の充電シーンである「目的地充電」の区分で、10~15万口の充電器設置が目安となっているという。
 
 ホテルかずさやがある東京都は、EV充電器の購入や、設置工事に掛かる費用は一部の充電器を除き、原則として対象経費のほぼ全額を補助している。同館への設置もこの補助制度を活用するTerra Chargeのプランによるものだ。
 
 Terra Chargeは、急速充電器も初期費用、維持運用費無料となるプランを展開。日本全国でEV充電インフラの設置を進めている。IoTに対応した充電器により、課金や利用状況の管理を遠隔で行える。そのため、設置施設の業務負担を軽減し、さらに、導入に必要な手続きから、設置後のユーザー対応、万一のトラブル時のサポートまで、すべての工程をワンストップで担う。導入後も安心して利用できる体制を整えている。
 

会社ロゴ


テラチャージ

 ホテルかずさやは車両16台を収容できるタワーパーキングと、2台収容の平置きの駐車場を備える。週末の観光客の増加に伴い、稼働は上昇するという。
 
 代表取締役の工藤哲夫氏(東京都ホテル旅館生活衛生同業組合理事長)は、「今後、EVの普及が見込まれる5年、10年先を見据えて採用を決めた」と話す。また、「都が助成金を出してEV充電インフラ網の整備に取り組んでいるため、当館も協力していきたいと考えた」とも。都内の充電インフラが充実すれば、EV普及の阻害要因を低減できる。走る蓄電池と言われるEVが増えれば、災害時にも役立つ環境構築につながるという。
 
 EV充電インフラについての問い合わせ先は、https://terra-charge.co.jp/contact-ev/


ホテルかずさや全景


工藤社長

 
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