
熱がこもる旅館との打ち合わせ
観光業界が直面するさまざまな課題解決へ
人手不足や増え続けるインバウンドへの対応など、観光業界が直面する課題の解決に、デジタル技術を生かしたさまざまな商品・サービスが提供されている。ここでは「観光DX」を実践するための各種システムを紹介する。
ハイパークリエーション東京(東京都千代田区)は、宿泊施設のホームページ(HP)や、予約サイトなどのウェブによる集客支援を展開している。同社は、宿泊施設にしっかりと寄り添うことをテーマに掲げており「外部業者の一つとしてではなく、内部スタッフの一員という考え方を大切にしている」と代表取締役の渡邊隆氏。全国で延べ400軒以上の採用実績がある。
同社サービスは、中・長期的に安定した販売のための基礎構築はもちろん、短期的にもしっかり売り抜くためのプラン展開やその他販促施策を提案。また、消費者に「予約したい」と思わせるページ作りやブランディングのほか、各サイト担当者とのやり取り、HP予約の強化・誘導、インバウンド集客、メルマガによる情報発信などにも対応する。
契約施設には定期的に訪問し、対面による打ち合わせを行う。その理由は、「現地に足を運ばないと、施設側の方針や本音を吸い上げられないから」。業務では、担当スタッフ1人に加え複数人のアシスタントが作業対応。また、担当が持つ施設数を制限することで、「日々の情報連携と、細かな作業を確実かつ迅速に実施する」という。
熱がこもる旅館との打ち合わせ
コロナ禍以降、人手不足が慢性化していることから、同社に頼る宿泊施設が全国で次第に広がっている。「本来の業務が忙しく、時間をかけて管理できない」「休職や退職があった際、引き継ぎや育成にコストがかさみ時間もかかる」といったマンパワー面の悩みを抱える施設に加え、「主要OTAでの競争が激しく、ウェブ全体の伸びが頭打ち」「HP予約を強化したいが、どうしていいか分からない」などのスキル、ノウハウ面に関する問い合わせも多い。
費用は、月額基本料10万円と成果報酬として昨対同月比増加額の5%。ただし、前年の販売がない新規開業や改築後、さらに10室前後以下の小規模施設はその限りではなく応相談。渡邊氏は、「ウェブによる集客力を最大限に生かし、業態や規模を問わず貢献していきたい」と話す。