
昨年大会で行われた綱引き種目の様子
企業や団体もチームで参加可能
富山駅周辺で商業施設の運営などを手掛ける富山ターミナルビル(水田整代表取締役社長)は24日、「第5回TSC杯 富山駅前大運動会」を開催する。市民や企業、団体がチームを組んで競技を行うイベントで、地域コミュニティの活性化を図る。
同社は1985年創業。富山駅周辺の商業施設「マリエとやま」「とやマルシェ」「マルート」などの開発・運営を手掛けている。特に2015年の北陸新幹線開業以降は、駅周辺の企業、自治体などさまざまなステークホルダーと緊密な連携をとり、新施設の開発だけでなく多種多様なイベントの企画なども通して地域全体の活性化を担っている。
今回実施する「第5回TSC杯 富山駅前大運動会」は、駅前のにぎわい創出と地域交流の促進を目的に2022年から始まったイベントで、今回で5回目を迎える。
運動会の種目は「大縄跳び」「綱引き」「ムカデ競争」「網合戦」の四つ。市民だけでなく企業や団体としての参加も受け付けており、「1チーム6~12人」「種目ごとに各チームから6人が出場可能(最低2人女性を含む)」といったルールのもと行われる。最大16チームが参加する一大イベントで、地元で人気の企画となっている。
順位は総合得点で決定する方式で行われる。中でもトーナメント方式の綱引きは特に盛り上がる種目で、同社によると綱引きを制することが勝敗の鍵を握るという。力以外の戦略や持久力も優勝に必要な要素で、総合力を必要とした種目構成となっている。
運動会の参加費は無料。優勝チームには、優勝トロフィーのほか「マリエとやま」「とやマルシェ」「マルート」で使用できる商品券3万円分が贈呈される。イベントの詳細は、同社公式ホームページで公開されている(https://toyama-stationcity.jp/event/detail.php?id=25548)。
昨年大会で行われた綱引き種目の様子
運動会で富山駅を「身近な存在」へ
同社によると、運動会を始めたきっかけは車社会の浸透により富山駅が市民から遠い存在になっていたことだったという。富山市は1世帯あたりの自動車普及率が全国の県庁所在地で2位になるなど地方都市の中でも車社会が浸透しており、郊外の空洞化が進行している。車を日常的に使う市民の富山駅前に対する認識は「仕事で行く場所」「電車を乗り継ぐ場所」などが多く、駅前が身近な存在とは程遠い状況だった。
そのような状況を打破すべく、新型コロナウイルスが終息し始めた2022年の夏ごろから多種多様なイベントを仕掛け始め、同年から駅前での運動会がスタートした。
同社の開発企画部兼営業部リーダー・下越裕太氏は同イベントについて、「参画者や市民の方の反応を鑑み、いずれはさらに規模を拡大し、富山駅前、富山市全体、さらには富山県全体まで波及するような取り組みへと昇華させていきたいとも考えている。しかし、まだまだ走り始めたばかりの定例行事。トライ&エラーを繰り返して賛同者や協力者を集めながら、地元住民の方々の生活に彩(いろどり)を添えられるような取り組みを引き続き実施していきたい」とコメントしている。