日本政策金融公庫は4月16日、ホテル・旅館など生活衛生関係営業の景気動向等調査の1〜3月期分を公表した。同期の生活衛生関係営業の売上DI(前年同期比で増加とする企業割合から減少とする企業割合を引いた値)は前期比1.8ポイント上昇のマイナス40.4で、5期ぶりに上昇した。ただ、前年同期比では1.9ポイント低下し、3期連続で前年同期の水準を下回った。公庫では「生活衛生関係営業の景況は依然として厳しく、かげりがみられる」としている。
調査は3月上旬、ホテル・旅館、飲食、理容など生活衛生関係営業3234企業に行い、このうち2892企業から有効回答を得た。
売上DIを業種別にみると、ホテル・旅館、飲食など5業種で前期比上昇。食肉・食鳥肉販売、美容、映画館など4業種で同低下した。
前年同期比では、ホテル・旅館、食肉・食鳥肉販売、氷雪販売、映画館など5業種で上昇した。
来期(4〜6月)の見通しは、全業種が今期比13.6ポイント上昇のマイナス26.8。業種別では、全ての業種で上昇を見込む。
全業種の採算DI(当該期に黒字とする企業割合から赤字とする企業割合を引いた値)は前期比9.9ポイント低下のマイナス31.8。前年同期比では8.4ポイント低下し、4期連続で前年同期の水準を下回った。
全業種の業況DI(前期比で好転とする企業割合から悪化とする企業割合を引いた値)は前期比20.4ポイント低下のマイナス48.9。前年同期比では2.2ポイント低下し、13期ぶりに前年同期の水準を下回った。来期の見通しは今期比45.4ポイント上昇のマイナス3.5。
経営上の問題点 「顧客数の減少」
調査では経営上の問題点も聞いた(複数回答)。全業種で最も多いのは「顧客数の減少」で64.5%が回答。以下、「客単価の低下」32.7%、「仕入価格.人件費等の上昇を価格転嫁に困難」19.3%—など。ホテル・旅館でも「顧客数の減少」が57.1%と最多。