1月の訪日外客数は2%減、中国は依然低調


 日本政府観光局(JNTO)がこのほど発表した1月の訪日外客数は、66万9千人で前年の同じ月と比べて2.4%減少した。訪日需要は全体として東日本大震災以前の水準に回復しているが、中華圏市場が旅行シーズンとなる旧正月(春節)時期の変動などで前年同月の実績を下回った。韓国は円高の緩和などで大幅な増加。中国は尖閣諸島の問題などで引き続き団体旅行が低調で半減の状態だった。

 1月の外客数としては、過去最高だった2011年1月の71万4千人より4万5千人少なく、過去4番目の実績。旧正月の休暇期間は2012年が1月下旬だったが、13年は2月中旬だったため、中国、台湾、香港などの旅行需要に大きく影響した。

 観光庁の井手憲文長官は、2月19日の定例会見で「中華圏の落ち込みは旧正月の変動によるもので、2月の増加率は大きくなるはず。韓国も調子を戻している」とする一方で、「中国は旧正月の変動に加え、団体客の落ち込みが響いている」と指摘した。

 旧正月時期の変動で、台湾は前年同月比11.6%減の11万1千人、香港は同35.6%減の3万1千人だった。中華系の旅行者が多い東南アジアの市場ではシンガポールが同21.0%減の7千人、マレーシアが同14.6%減の8千人だった。

 中国は同47.6%減の7万3千人。旧正月時期の変動に加え、11年9月の尖閣諸島の国有化以降、団体旅行が減少している。一方でJNTOは「個人旅行への影響は比較的少なく、団体旅行も地域差はあるものの、広告が掲載された訪日旅行商品への問い合わせも入り始め、徐々に再開の動きが見られる」と分析している。

 韓国は同35.2%増の23万5千人。円高ウォン安の緩和傾向が訪日旅行の需要を喚起した。LCC(格安航空会社)就航に伴う航空運賃の低下、沖縄路線などの新規就航や増便もプラス要因。ただ、一部には原発事故による放射能への不安が残っている。

 1月として過去最高を記録したのは、豪州(同42.6%増の3万2千人)、タイ(同33.0%増の1万6千人)、インドネシア(同30.3%増の7千人)、ベトナム(同38.1%増の5千人)。豪州はビジット.ジャパン事業のプロモーションの効果などもあってスキー旅行の需要が拡大。タイは12年4月以降、10カ月連続で各月の最高値を更新している。

 欧米では、米国が同5.6%増の5万1千人、フランスが同7.3%増の8千人、ドイツが同5.2%増の7千人と増加基調にある。カナダ、英国は前年同月の実績を下回った。

 また、1月の出国日本人数は、同2.5%増の136万4千人だった。

 
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