東北への外国人宿泊者数、7月は17万3300人泊で9.2%増 7カ月連続で最多更新


 国土交通省東北運輸局は10月2日、2025年7月の東北地方における外国人延べ宿泊者数が17万3300人泊となり、前年同月比9.2%増加したと発表した。2024年1月から7カ月連続で同月最多を更新する好調ぶり。一方、日本人宿泊者数も319万7360人泊と前年同月比2.8%増となり、地域観光の回復基調を示している。

宮城県が最多、青森・岩手が大幅増

 7月の外国人宿泊者数を県別でみると、宮城県が6万6050人泊と東北6県で最も多く、次いで青森県3万9630人泊、岩手県2万9760人泊と続いた。福島県は1万5540人泊、山形県が1万1480人泊、秋田県が1万840人泊となった。

 前年同月比では青森県が18.1%増、岩手県が17.1%増と大幅な伸びを示した。宮城県も12.3%増、福島県が9.4%増と好調だった。一方、秋田県は10.8%減、山形県は2.6%減とやや苦戦した形だ。

全国シェアは1.2%に微増

 東北6県の全国における外国人宿泊者シェアは1.2%。2024年7月の1.1%から0.1ポイント増加した。しかし、コロナ禍前の2019年7月と同水準にとどまっており、シェア拡大の余地を残している。

 全国的な傾向としては、東京都が33.0%、大阪府が13.8%、京都府が10.8%と三大都市だけで57.6%を占めているが、この比率は2024年7月の60.6%から減少しており、地方分散の兆しが見られる。

日本人宿泊者も増加、地域によりばらつき

 東北地方の日本人延べ宿泊者数は319万7360人泊で、前年同月比2.8%増となった。県別では宮城県が81万440人泊と最も多く、次いで福島県80万3140人泊、岩手県48万2550人泊、青森県42万4600人泊、山形県39万4990人泊、秋田県28万1640人泊の順となった。

 前年同月比では青森県が16.5%増、岩手県が7.3%増と大きく伸びた一方、宮城県は1.6%増、福島県は0.8%増と小幅な増加にとどまった。山形県は0.8%減、秋田県は0.5%減と微減となった。全国の日本人宿泊者数は前年同月比2.0%減となる中、東北地方は増加を維持した。

インバウンド回復に地域差

 東北運輸局管内の外国人宿泊者数は2024年1月から同月最多を更新する勢いで推移しており、2025年累計(1月~7月)では160万6000人泊に達している。コロナ禍前の2019年同期(151万5800人泊)を上回るペースだ。

 一方、全国に占める東北地方の外国人宿泊者シェアは依然として低水準にとどまっており、東京都(33.0%)・大阪府(13.8%)・京都府(10.8%)の三都市に集中する傾向が続いている。ただ、これら三都市のシェアは2024年7月の60.6%から2025年7月は57.6%へと3.0ポイント減少しており、地方分散化の動きも見られる。

 東北運輸局は「2025年1月から継続して同月最多を更新している」と好調さをアピールしている。全国では外国人延べ宿泊者数が回復基調にあるなか、東北地方への外国人旅行者誘致も着実に進展していることがうかがえる。

 東日本大震災から14年が経過し、東北地方へのインバウンド回復は確実に進んでいるが、県別のばらつきや全国シェアの低さなど、課題も残されている。

 
 
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