日本政府観光局(JNTO)が12月21日に発表した2016年11月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比13・8%増の187万5千人となった。11月として過去最高。航空路線の拡充やクルーズ船の寄港増加がプラス要因だが、台湾は増加率が1%台にとどまった。1~11月累計は前年同期比22・4%増の2198万8千人で、年間では2400万人前後に達する見通しだ。
11月の訪日客数は、政府のビジット・ジャパン(訪日旅行促進)事業の重点市場を見ると、ロシアを除く19市場が11月として過去最高だった。
中国は19・2%増の43万2800人。紅葉シーズンに向けたプロモーションなどが、個人旅行やクルーズ旅行の需要を喚起した。韓国は18・6%増の42万6900人で、航空座席供給量の増加などがプラス要因。香港は16・5%増の15万2300人だった。
台湾は1・4%増の30万700人。11月として過去最高だが、10月に続いて伸び率は1桁台だった。JNTOや観光庁は、一時期の円高傾向、他市場との競合、復興(トランスアジア)航空の解散などが影響しているとみている。
東南アジアでは、タイが5・5%増の8万300人。国王崩御に伴う旅行自粛などが一部に見られたが、LCC(格安航空会社)の航空券、格安ツアー商品の売れ行きは好調という。
マレーシアは12・5%増の4万4400人、シンガポールは13・3%増の4万3300人と堅調。インドネシアは54・3%増の2万1900人と好調だった。
欧米豪は、クリスマス休暇などを控えて海外旅行のオフシーズンとなる国が多いが、米国が17・0%増の10万3800人、カナダが15・4%増の2万4千人、豪州が12・3%増の3万3100人と2桁増。欧州は英国が8・9%増の2万3500人、フランスが6・9%増の1万7400人、ドイツが4・6%増の1万5400人などだった。
1~11月累計では、中国、韓国、マレーシア、インドネシア、フィリンピンが前年同期比で3割前後の伸び。アジア以外では、米国、豪州、カナダ、フランス、スペインが2割前後の伸び。重点市場20市場のうち18市場が11月までに15年の年間値を超えている。
一方、JNTOが発表した16年11月の出国日本人数(推計値)は、前年同月比10・6%増の148万1千人だった。前年同月比で6カ月連続の増加。1~11月累計では、前年同期比5・4%増の1566万2千人となった。