観光目的の入国依然なし
今年10月の訪日外国人旅行者数は、新型コロナウイルスの影響に伴う入国制限などで、前年同月比98.9％減の2万7400人となった。日本政府観光局（ＪＮＴＯ）が18日に発表した推計値。在留資格を持つ外国人の再入国や条件付きのビジネス目的などの入国で、7カ月ぶりに2万人を超えた。ただ、観光目的の入国は依然なく、3月以降は前年同月の実績に対して9割を超えるマイナスが続いている。
日本における検疫強化、査証の無効化などの措置、多くの国・地域で実施されている海外渡航制限の措置などで、国が定めるビジット・ジャパン（訪日旅行促進）重点市場22市場のほとんどが前年同月比で99％を超える減少となった。
10月の訪日旅行者数が千人を超えた国・地域は、ベトナム6200人（前年同月比86.7％減）▽中国4500人（同99.4％減）▽韓国2千人（同99.0％減）▽タイ1400人（同99.0％減）▽台湾1300人（同99.7％減）―だけだった。
日本政府は一部の国・地域との間で、駐在員などの長期滞在者向けに条件付きで入国を許可する「レジデンストラック」、ビジネスの短期出張者向けに条件付きで入国を認める「ビジネストラック」の運用を開始している。
今年1～10月累計の訪日外国人旅行者数は、前年同期比85.1％減の400万1千人となった。過去最高を記録した19年の年間3188万2千人を大幅に下回っている。
