日本旅行業協会(JATA)が四半期ごとにまとめている「旅行市場動向調査」によると、1〜3月の国内旅行DIは、海外からのシフトは依然続くが、景気の急速な悪化に伴い出張需要が減少するなどして、3カ月前(10〜12月)のマイナス16からマイナス42と大幅に下落した。
全方面で3カ月前より2ケタの悪化となり、北海道、東北、北陸のDIは30ポイント前後下落した。前年同時期との比較でも軒並み大きく下回っており、中でも奄美・沖縄は58ポイント、北海道、九州は約40ポイント低く、首都圏からロングポーションの不振が顕著となっている。
安近短志向の強まりやネット利用による旅行会社離れが指摘され、国内市場をけん引する好材料に乏しい。3カ月後(4〜6月)の見通しも、マイナス40と横ばい。方面別に見ると、良化が見込まれるのは北海道、東北など一部で、その他は横ばいの見通し。
一方、海外旅行DIは景気悪化による個人消費の低迷や企業の経費削減で、3カ月前のマイナス64からマイナス72と大さらに低下。今後はウォン安で好調な韓国に加え、燃油サーチャージの値下げがロング方面の需要を喚起し、3カ月後はマイナス57の見通し。
JATAの旅行市場動向調査では、各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、DI(ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数を発表している。DI値の範囲は、100(すべての回答が「良い」)からマイナス100(同「悪い」)の間となる。638社を対象とし、269社から回答を得た。