国際観光振興機構(JNTO)は1月26日、06年の訪日外客数と出国日本人数の推計値を発表した。訪日外客数は前年比9.0%増、過去最高の733万4千人を記録し、史上初めて700万人の大台を超えた。出国日本人数は、年間で史上2番目の1753万5千人を記録した。
JNTOの中村稔理事長は、「07年は800万人を目指す。これが達成できれば、9%の伸び率。切りの良い目標を掲げて進めていきたい」と達成への意気込みを語った。
訪日外客数は、06年のビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)重点12市場からの訪日客数が、訪日外客全体の87.9%を占め、12市場のうち7市場(韓、台、中、タイ、シンガポール、加、仏)で過去最高となった。中でも、韓国は前年比21.2%増、中国も24.3%増など20%を超える大きな伸びを示した。各市場の特徴は次の通り。
訪日韓国人は、円安基調、査証免除、航空網の拡充などにより、史上初の200万人台の211万7千人を記録。訪日中国人は、団体観光査証の発給地域の中国全土拡大、訪日クルーズツアーの催行、航空網の拡充などにより、80万人台の81万2千人を記録。訪日シンガポール人は、JNTOがシンガポール事務所を開設し、本格的なPRに着手した結果、史上初の10万人台、11万6千人を記録。
一方、欧米からの訪日客は愛知万博開催の揺り戻し、日本経由客の減少、訪中旅行の需要増などにより伸び悩んでいる。
出国日本人数は、円安基調が続き、海外旅行に割高感が働いたが、中国、台湾への旅行者が増加した結果、出国日本人数は前年並みを維持した。