観光庁が立ち入り検査 OTAトリップドットコムで「空売り」


 中国のオンライン旅行会社(OTA)、シートリップが運営する日本向けの旅行予約サイト「Trip.com」(トリップドットコム)で、日本国内の旅館・ホテルの満室日の宿泊プランが施設側の知らないうちに「空売り」されたとして問題となっている。観光庁は、シートリップの日本法人に立ち入り検査に入るなど、旅行業法、消費者保護の観点から問題がないか、事実関係の把握に乗り出した。

 トリップドットコム側は、サイト上に6日・7日付で文書を掲載し、社内調査の結果を説明。宿側がすでに満室となっている日に、空き室があるとして宿泊プランが掲載され、予約が受け付けられていた事実について認めた。ただ、これらの空売りは、取引先の業者が仕入れた客室在庫を掲載する枠の「リクエスト予約」という販売手法に関してで、「一部の悪質な販売業者によるもの」と弁明した。

 観光庁は4日、シートリップの日本法人、第1種旅行業に登録しているシートリップ・ジャパンに立ち入り検査を実施した。事実関係は調査中だが、同社は、サイト運営や宿泊の仕入れは担当業務ではなく、直接関与していないと説明したという。同社のほか、シートリップの日本国内の関連会社には、第3種旅行業に登録している会社が東京都と大阪府にあるため、観光庁では両自治体にも連絡し情報を共有している。 

 調査対象の行為がシートリップの中国本社など海外法人で行われていた場合、日本の旅行業法を適用することは難しくなるが、観光庁では、今後の調査や状況を見て、海外法人にも情報提供を要請するなどの対応を検討する。

 トリップドットコムを巡る報道、宿泊業団体からの情報提供などを受けて観光庁は6日、消費者に対して海外OTAを利用する際の注意をホームページに掲載した。利用に当たっては、契約条件や日本の旅行業登録の有無を確認するよう呼び掛けている。

 日本旅館協会など宿泊業団体では、年末年始の旅行シーズンを控えて、トリップドットコムに絡む予約トラブルの発生を危惧しており、観光庁の注意喚起などの情報を会員旅館・ホテルに周知している。

 また、宿泊業団体では、トリップドットコム側に対し、今回の空売りの事態、再発防止策などについて説明を求めていく考えだ。

 
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