稲取銀水荘で旅館大学セミナー 「食事の集中化」解説


リニューアルを解説する佐野社長

 旅館・ホテルの設備投資や改装工事、社員研修、販売促進などのコンサルティングを行うリョケン(静岡県熱海市、佐野洋一社長)は12月13、14の両日、静岡県・稲取温泉の稲取銀水荘で「旅館大学セミナー」を開講し、全国から旅館経営者、幹部ら約150人が参加した。セミナーは、今回が162回目の開催となった。

 セミナー初日の13日は、2018年1月に約7カ月にわたるリニューアル工事が完了した6階フロアを中心とした館内見学、銀水荘の加藤晃太副社長、サービス部の加藤重人部長による講演が行われた。

 講演に先立ちリョケンの佐野社長は「今回の設備投資の柱は『食事の集中化』。これまで全室部屋出しでの食事提供にこだわってきた銀水荘にとっては大きな決断だ」とリニューアルプラン策定の経緯を解説し、「今後、それぞれの施設で直面し得る課題と向き合う際の参考にしてもらいたい」と述べた。

 加藤副社長は「次の時代への一歩! 老舗旅館、銀水荘の新たなおもてなしとは?」をテーマに講演。「今回の投資は、離職者が相次いだことなどから、ESの向上に主眼を置いて計画した。プロジェクトを進める中で、従業員へ正しく『変わること』の目的を伝える大切さを痛感した」と反省を交えて講演した。

 続いて登壇した加藤部長は「設備投資が生み出した成果と次につなげる新たな課題」をテーマに、サービスオペレーションを変える過程で生じた失敗など具体的な事例を取り上げるとともに、新たに発見した課題について説明した。

 講演後には18年に設備投資を行った「元気印の旅館」として、MICE対応のためコンベンションの整備などを実施したホテル華の湯(福島県・磐梯熱海温泉)、創業90周年記念事業で「『いやし』と『くつろぎ』」をテーマにリニューアルを実施したホテル清風苑(新潟県・月岡温泉)などを紹介した。

 2日目の14日には、リョケンから「自活経営スイッチオン! 自ら活動、活性化、自ら活路を切り開く~ポスト2020年を見据えて~」をテーマに掲げた、2019年旅館の経営指針が発表された。

 また、次回の旅館大学セミナーが、今年7月に群馬県水上温泉のみなかみホテルジュラクで開催されることも併せて発表された。


リニューアルを開設する佐野社長


銀水荘に新設された展望ラウンジ「濤(なみ)の音(ね)」

 
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