町家ホテルが福井県坂井市に開業 「オーベルジュほまち三國湊」 


町家の良さをできるだけそのままに(外観)

Actibaseふくい 町家を活用、耐震性も向上

 北陸新幹線延伸に湧く福井県坂井市の三国湊エリアにこのほど、町家ホテル「オーベルジュほまち 三國湊」がオープンした。ホテルは木造平屋と、2階建ての9棟、16室となっており、食事は近隣にあるレストランで食べてもらう。レストランと食事は国内で多数のレストランをプロデュースしている統括料理長の吉野建氏が担当している。

 ホテルの事業オーナー会社、Actibase(アクティベース)ふくい社長の樋口佳久氏は、「福井県には肉、魚、野菜など最高の食材がそろっている。この素材を生かした食事の評判は上々」と話す。

 三国湊は県の北部、九頭竜川の河口に位置し、かつては北前船の寄港地として栄えた。そのため、建築物は北前船交易がもたらした文化や独自の建築様式が残っている。

 現在は、人口減少が進み、かつ、空き家が増えている。しかし、古い街並みが残っていることから、それを生かした宿泊施設をオープンすることで、地域全体の活性化が図れると考えた。

 オーベルジュほまち 三國湊は、この三国湊の特徴的な「かぐら建て町家」や、日本の伝統的建築である「平入(ひらいり)造」「入母屋(いりもや)造」といった地域の伝統的な建築の町家を活用。外観はできるだけそのまま残し、内装のみをリフォームした。多くのインバウンドの誘致を目指し、長期滞在が可能な宿泊施設となっている。

 併せて、耐震性の向上を図ったほか、古民家の魅力を高めるため県でしか採掘できない「笏谷(しゃくだに)石」や、県産の木材を活用している。リフォームは住友林業ホームテックが担当した。

 Actibaseふくいは2022年10月、西日本電信電話(NTT西日本)が中心となり、NTTアーバンソリューションズ、熊谷組、住友林業など11社が出資して設立された。

 NTT西日本では、西日本30府県域で、地域事情に即した地域活性化活動を展開。ICTを活用した課題解決、持続的で自立可能な「地域循環型モデル」の創出に取り組んでいる。

 樋口氏は、「オーベルジュほまち 三國湊の開業は地域活性化に貢献することが目的。地域の人と観光客が交流することで三国湊地域の発展に寄与したい」などと話している。

町家の良さをできるだけそのままに(外観)

リフォームした内装

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒