消費額は56%減の2.9兆円 日本人の国内旅行7~9月


 2020年7~9月期の日本人の国内旅行消費額は、前年同期比56.3%減の2兆9241億円となった。観光庁が18日に発表した旅行・観光消費動向調査の速報値。旅行者の支出額がベースで、国のGo Toトラベル事業、都道府県や市町村の旅行促進事業による割引分は除いて集計されている。新型コロナウイルスの影響で大幅な落ち込みだが、Go Toトラベル事業などが旅行需要を喚起したとみられ、4~6月期の前年同期比83.2%減と比較すると下げ幅が縮小した。

 7~9月期の国内旅行消費額としては、現行の調査方法となった2010年以降で最低だった。

 国内旅行消費額の内訳は、宿泊旅行が前年同期比58.0%減の2兆2799億円、日帰り旅行が同48.9%減の6442億円となった。7月22日に始まったGo Toトラベル事業は、東京都発着の旅行や地域共通クーポンの配布が10月1日までは対象外だったものの、7~9月期の旅行需要を喚起し、下支えしたと推測される。

 延べ旅行者数は、前年同期比49.4%減の8574万人で、7~9月期としては最低だった。下げ幅は4~6月期の同77.5%減からは縮小した。7~9月期の内訳は、宿泊旅行が同51.4%減の4620万人、日帰り旅行が同46.8%減の3953万人だった。

 宿泊旅行の延べ宿泊者数を月別に見ると、7月は前年同月比54.0%減の1076万人、8月が同59.4%減の1797万人で、新型コロナの感染再拡大が夏期の需要期に大きく影響したが、感染状況がやや落ち着いた9月には同36.2%減の1747万人と一定の回復を見せた。

 7~9月期の1人1回当たりの旅行単価は、宿泊旅行が4万9343円で前年同期比13.7%減、日帰り旅行が1万6294円で同3.9%減となった。旅行単価には、交通費、宿泊費、飲食費、買い物代、娯楽サービス費などが含まれる。

 単価の減少要因としては、パックツアーや団体旅行の参加費の減少のほか、交通費について長距離交通機関の購入率が減少していることが考えられる。新型コロナの影響を踏まえ、居住地の地方ブロック内での旅行など、近距離の旅行が例年より多かった可能性がある。    

 
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