浴場の衛生管理を万全に 全旅連が「手入れの手引き」発行


「手引き」の表紙

レジオネラ属菌対策を詳しく

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、井上善博会長)はこのほど、冊子「安心・安全なお宿のお風呂手入れの手引き」を発行した。浴場の衛生管理、特にレジオネラ症の防止対策を詳しくまとめたもの。浴場などで繁殖したレジオネラ属菌による感染事故は近年、増加傾向にある。制作を担当した全旅連シルバースター部会、厚生・バリアフリー化促進委員会は「お客さまに安心してご利用いただける環境づくりにお役立ていただければ」と組合員旅館・ホテルに呼び掛けている。

 レジオネラ属菌を原因とするレジオネラ症は感染症法上の4類に分類される。感染するとせきや高熱など肺炎の症状を引き起こすことがあり、最悪の場合は死に至ることもある。

 国立感染症研究所などのデータによると、レジオネラ症の年間感染者数は2013年に千人、18年に2千人を超えるなど、その数は近年、増加傾向にある。

 手引きでは、レジオネラ属菌の基礎知識や、浴場における繁殖防止対策を詳しく記している。以下はその要旨。

◇   ◇

 浴槽に入浴者のあかや皮脂などの有機物が持ち込まれ、これらを栄養源とする微生物が侵入すると、ろ過器のろ過材や内部の壁面、浴槽や配管の内壁などに微生物が定着して増殖し、バイオフィルム(生物膜)を形成する。

 レジオネラ症の防止対策として、これらバイオフィルムの抑制・除去が有効かつ必要だ。

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