北海道を代表する食の祭典「さっぽろオータムフェスト2018」が15日、札幌市中心部の大通公園などを会場に始まった。道内各地自慢の味覚が集結し、毎年200万人が来場する人気イベントで今年で11回目。期間は30日まで。主催者は一時、北海道胆振東部地震を踏まえて開催見合わせを検討したが、日時を短縮して実施を決定した。
主会場の大通会場には多くの市民や観光客が訪れ、オープンと同時にお目当ての料理や飲み物を買い求め、笑顔いっぱいで楽しんでいた。
同会場には約1キロにわたる区域に300を超すブースが設けられ、ラーメン、海鮮料理、肉料理、地酒、ワイン、ビールなど、各地自慢の品々が提供されている。音楽などのステージイベントも行われている。
特別会場の道庁前北3条広場「アカプラ」では、人気菓子店を集めた「スイーツガーデン」、二条市場で知られる創成川地区では、鍋料理を提供する「なまら鍋横丁」が開かれている。市中心部のホテルや飲食店では、イベントとのコラボメニューを盛り込んだ秋の食めぐりを展開している。
大通会場で横浜市から来たという40代の夫婦は、「空港もホテルも通常通りで支障なかった。ここはおいしいものばかり」と北海道の味を満喫していた。マレーシアから娘と家族旅行で来たウ・スーチィ(69)さんは、「どこも問題なかった。北海道は空気が良く、緑が美しい」と話し、サンマやカキに舌鼓みを打っていた。
今年は7日からの開催を予定していたが、6日に地震が発生し、実行委員会は開催見合わせを検討。その後、停電が回復し、物流も落ち着いてきたことから、「道民の笑顔を取り戻し、北海道の元気を内外に発信しよう」と開催に踏み切った。
節電のため、会場の電気は自家発電機で賄い、開催時間は土、日、祝日が午前10時から午後8時半、平日が正午から午後7時半までと、平日に前後合計3時間短縮。会場には被災地に送る義援金の募金箱も設置した。
実行委員会は「北海道は道民挙げてがんばっている。おいしい食べ物の時期でもあるので、全国から多くの皆さんに来ていただきたい」と話す。
多くの来場者でにぎわう大通会場