愛知県「休み方改革」プロジェクト 愛知県観光振興課課長補佐 渡邉亨介


愛知県観光振興課課長補佐 渡邉亨介氏

観光需要の平準化に向けて

 日本の休暇のあり方として、多くの人が祝休日に一斉に休むため、混雑や料金の高騰等が発生し、質の高い休暇になっていないという課題があります。また、保護者の仕事によっては家族が一緒に過ごす時間が作りづらい、観光関連産業を含むサービス業は繁閑差が大きく生産性を上げにくいという課題もあります。これらの課題に対し、愛知県では、大村知事の号令のもと、2023年度から「愛知県『休み方改革』プロジェクト」と題し、さまざまな施策を進めています。

 このうち、観光需要の平準化に向けた取り組みとして、「あいちスキ旅キャンペーン」と名付けたキャンペーンを行っており、平日や閑散期に訪れた旅行客に対し、観光関連事業者の皆さまから料金の割引、客室のアップグレード、オリジナルグッズのプレゼントなどの特典を提供していただいています。一方、県はSNS広告などでキャンペーンの取り組みを周知し、空いている時期での快適な旅行を呼び掛けています。このキャンペーンには、最大で176の事業者の皆さまに御参画いただいています。

 また、子どもと家族が一緒に過ごせる仕組みとして、「ラーケーションの日」を創設しました。「ラーケーション」とは、「学習(learning)」と「休暇(vacation)」を組み合わせた造語で、家族の休みに合わせて子どもが学校外で学習活動できる仕組みです。校外での自主学習活動であるため、子どもは学校に登校しなくても欠席とはならず、「出席停止・忌引等」と同じ扱いとなります。これにより、保護者が土日祝日に働いている家庭でも、平日に家族が子どもと一緒に体験や探究の学び・活動をすることができます。保護者へのアンケートでは、初年度にも関わらず、6割以上から「土日に休みにくい家庭でも、子どもとのふれあいが増える」と高い評価をいただきました。

 さらに、この休み方改革を全国に展開していくため、全国知事会に本県の大村知事をリーダーとする「休み方改革プロジェクトチーム」を設置し、39都道府県参加のもと活動しております。

 こうした平日や閑散期に観光需要をシフトさせる取り組みが全国に広がっていけば、旅行客の満足度の向上のみならず、観光地の活性化や、繁閑差が激しい観光関連事業者の労働生産性の向上も期待できます。

 観光関連産業に関わる皆さまをはじめ、経済界、労働界、教育界と一丸となって愛知発の「休み方改革」を国民運動とするべく、引き続き取り組んでまいります。

愛知県観光振興課課長補佐 渡邉亨介氏

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒