26年に工事完了
国宝の瑠璃光寺五重塔は現在、70年ぶりとなる檜(ひのき)皮葺(ふ)き屋根の全面ふき替え工事が行われている。工事完了は2026年春の予定だが、25年秋には足場が取り払われ、再び元の姿が見られるようになる。
五重塔の建立は1442年ごろといわれ、1952年に国宝に指定された。市の観光のシンボルの一つだが、観光関係者は「(ニューヨーク・タイムズ紙で)行くべき旅行先に選ばれたのに、工事中とはちょっとタイミングが悪い。しかし今しか見られない五重塔もいいのでは」と苦笑する。
囲いに覆われ、その姿は見ることができないが、市は今しか見られない瑠璃光寺五重塔を楽しんでもらおうと、観光誘客事業「昇華―shouka―大内文化」と題して、さまざまなアートプログラムを実施している。
3月末までの期間限定で実施していたプロジェクションマッピングと空間アートプログラム「大内文化 思想をめぐる道」を5月6日まで延長することを決めた。
また、瑠璃光寺も「檜皮葺き奉納書きご寄進」を呼び掛けている。
檜皮一束(1万円)の表面に自筆で願い事や芳名を記載して奉納するもので、「芳名が国宝の一部として残る」という。訪れた記念に寄進するのもいい思い出になりそうだ。
国宝の瑠璃光寺五重塔。現在は囲いで覆われている