外装は周囲との調和を重んじた色合いに
高齢層、インバウンドの誘客、満足度向上を目指し
睦館（岐阜県下呂温泉）は今春、既存顧客に加え、高齢層、インバウンドのさらなる誘客と満足度向上を目指し、客室と外装の改修工事を実施した。工事による館全体の高付加価値化を、客単価向上と人手不足解消の両立へとつなげていく方針だ。
客室改修では、近年和風旅館で高まっているベッド需要に対応するため、ベッドルームと和室を備えたモダンな和洋室3室と洋室1室を新設。シモンズ社製ベッドを導入し、防音二重窓を取り入れ、くつろぎの空間づくりに注力した。全ての和洋室には温泉が出る内風呂（ユニットバスタイプ）を設置。和洋室2室は段差がなく、車いすで入室できるバリアフリー対応を施すなど、従来以上に多様な顧客を取り込むための態勢を整えた。
「足腰に不安があるお客さまや、畳の上の布団で寝ることに慣れない外国人客に満足してもらえることを目指した」と同館。今回新設した客室は既存客室の約1.5倍の価格設定が可能になり、館全体の客室数は減少したものの改修前と同水準の売り上げを見込むほか、従業員の館内業務の負担軽減にも寄与するとしている。
新客室について同館の専務取締役・齋藤慎司氏は「ゴールデンウイーク前から稼働し、両客室ともに好評で手ごたえを感じている」と話す。
外装改修では、近年竣工した隣接する2軒の和風建築を設計した設計士に作業を依頼。隣接建築物に象徴的に使用されている屋根瓦や格子をモチーフに採用し、色合いも合わせることで、周辺との一体感を感じられる外装に仕上げた。齋藤氏は「地域、顧客、会社（従業員）の三方良しの経営を推進していく」と意気込む。
同館の予約や詳細は公式ホームページ（https://www.mutsumikan.co.jp/）。
外装は周囲との調和を重んじた色合いに
新装した和洋室
