ＶＵＣＡ（ブーカ）時代の今、経営環境や個人のキャリアを取り巻く環境は激変し、これからは「未踏の時代」と言われている。現代社会に広がる多様性に対し、企業活動が常に早急に対応し続けなければならない時代となった。企業では経営革新、事業創造、社会課題の解決、現場ではリーダーシップの発揮、組織マネジメントの実践が求められている。
本書では、ＫＮＩの北原茂実理事長やトラストバンクの須永珠代社長、立命館アジア太平洋大学（ＡＰＵ）の出口治明学長、小西美術工芸社のデービッド・アトキンソン社長、ＪＴＢの髙橋広行社長など、日本を代表する幅広い業界のトップ18人にインタビューを通して、各氏のマネジメント手法や経営事例をまとめている。また、ＶＵＣＡ時代だからこそ、それを見越して実施した改革の舞台裏やその思い、昨今の新規事業やオープンイノベーションへの取り組みについても語っている。
本書に登場する日本交通の知識賢治社長は、カネボウ化粧品の企業再生のエピソードに触れ、「小さいことかもしれないけれど大切にしなければいけないこと」を感じる心や、「自ら考え、自ら行動する」ことを、経営者として大切にしていると述べている。
経営のほか、キャリア、仕事について改めて再考するきっかけを作る一冊だ。
価格は1800円（税別）。263ページ。問い合わせは日本経済新聞出版社ＴＥＬ03（3270）0251。
