【旅館ホテルのおもてなし 62】日本料理の特徴 大谷 晃


 日本は四季折々の変化に富むだけでなく、海、山、川、平野などのさまざまな地形にも恵まれています。そのため、そこから採れる(獲れる)食材は豊富で、それが長い歴史の中で、世界に類を見ない素晴らしい日本料理を生み出し、また育んできました。

 どの国にも共通する基本的な味は、甘み、塩味、酸味、苦味ですが、日本料理はそこに「うまみ」という独特の味覚が加わります。 今や「UMAMI」として、世界共通語にもなっています。

 日本料理の特徴

 日本料理の特徴を挙げるとすれば、

 1.栄養のバランスが良く、健康的な食生活を支える料理である。

 2.自然の美しさを表現する料理である。

 3.年中行事と密接に関わる料理である。

 これらの中には、旬の食材を使うだけでなく、それにふさわしい食器を取り合わせることも含まれます。

日本料理は格式の高い席のもてなしの料理から、大衆が気軽に味わう料理まで実に幅広く、さまざまです。それがまた大きな特徴ともなっています。

 ところで、日本の料理を示すのに、「日本料理」「和食」「日本食」という言い方がされますが、示すところはみな同じです。よく聞く「日本料理」と「和食」の違いをしいて挙げるなら、日本料理は「高い技術を駆使して供される、主に外食での料理」、和食は「家庭料理を含めた日本の料理全般」をいうようです。本書では、日本における料理を「日本料理」と記述します。

 「地産地消」という言葉もあります。その土地で採(獲)れたり作られたりする物をその土地で使うというものです。料理でいえば、食材、器、日本酒などのお酒をすべて地元の物でそろえ、お客さまにお出しします。不思議とこれが人の舌にマッチします。同じ土地、同じ水、同じ空気の中で育った作物だからこそ生まれる味わいです。旅行で訪れたお客さまにきっと喜ばれるはずです。

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 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。 

 
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