壊れた壁面の修理を進める
2016年4月14日に発生した熊本地震における塗料・塗装事業者がどのような被害に遭い、どのような対策を取って復興したかを取材した。
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県内の塗料販売事業者や塗装事業者では、自社倉庫等において塗料缶が倒れて破損し、塗料やシンナーが床に散乱して、建物の壁も損傷した。取引先においても人的・物的被害が発生。取扱品が破損したり、建物の倒壊や地盤沈下が起きるなど、金額面でも大きな損害を被っているケースがほとんどである。
各種ライフラインのストップは事業者、取引先ともに発生。復旧まで業務は休止状態になったという。それぞれの従業員において、仕事のみならず生活面でも支障をきたしたため、臨時の勤務体系を組んで乗り切った。
復興策はどうか。まずは社内や取引間の安否確認を実施。情報共有を図り、スムーズな再開に備えたとの例が多い。被害を受けた建物等の復旧工事需要も間もなく増加した。防水工事や補修塗装工事など、適正価格での施工を実施し、非常時における信頼関係の維持・構築に努めた。
一方で、資材不足が深刻であった。特に、雨漏りや瓦破損の対策工事に用いるブルーシートやビニールシートの不足が決定的であったという。さらには塗料類、刷毛・ローラー・養生材といった塗装用資材の手配が困難になったものの、業界間での融通も図られたようである。
塗装による復旧工事の例はさまざまだ。基礎部分の亀裂、壁面のひび割れや落下、工場や倉庫の床のひび割れや陥没、屋根の損壊や雨漏りの発生、スレートや瓦のふき替え、マンホールの落下など、建物内外にわたって数多くの事例が挙げられている。
ある施工事業者の話では、顧客からの指定で短期間での突貫工事も少なくなかったとのこと。塗装工事だけでなく、あらゆる補修工事を手掛けざるを得ない状況であったとの声も聞かれた。互いに困難な状況下にある中、居住し仕事をもらっている地域を少しでも早く復興させるといった心意気で取り組んだとのことだ。
深刻な被害を受けた地域では、現在でも復旧・復興工事が継続している。仕事が得られるというより、ここでもかつての地域の姿を蘇らせたい意志が強い。
能登半島地震や宮崎県で発生の地震、さらには南海トラフ地震など、震災リスクは高まる一方で心配は尽きない。各社の対策を見てみると、店舗や倉庫における安全対策がまず挙げられている。塗料容器など18リットル缶の3段積みを禁止したり、転落防止棚やゴムバンドの導入、防災用品などの備蓄を徹底している。
非常時連絡体制の整備も多く挙げられていた。災害情報の常時チェックや有事の際の関係方面との非常連絡体制の整備などだ。さらに、改めてBCP策定を行い、事業継続への対応を練り直したという例もあった。
(塗料報知)

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