【地方再生・創生論 349】子育て応援を人口増にまで 松浪健四郎


 本欄で幾度も私は「少子化の心配」を記述してきた。が、政府はそれほど本気にならず、岸田政権はやっとその深刻さに気づき、「子ども・子育て支援法」を成立させた。しかし、この法律だけでは少子化を防止できず、政府は改正案を発表した。それだけ少子化が深刻で、わが国の人口減少に歯止めがかからないと認識したようだ。

 また、政府主導だけで少子化を防げないと私は考える。兵庫県明石市が、市長の強いリーダーシップによって、さまざまな改革を重ねた結果、子づくりを増加させた。各自治体も政府以上に本気に取り組み、少子化を止めねばならない。政府だけの一方通行だけでは、少子化を防止することは困難である。今国会で成立するであろう「子ども・子育て支援法」の改正案をよく理解し、なんとしても少子化を止めねばならない。可能な限り、国民の負担を軽くして改正案を生かすべきである。

 昨年6月には政府は「子ども未来戦略方針」、12月には「こども未来戦略」等の議論を深めてきた。で、3本柱となる加速化すべきプランを具体化させる施策を改正案に盛り込んでいる。まず、(1)ライフステージを通じた経済的支援の強化を計る(2)すべての子ども・子ども育て世帯への支援の拡充を行う(3)共働き・共育ての推進を行う。

 問題は財政面の裏づけである。子ども・子育て支援特別会計や子ども・子育て支援金制度の創設を考えているようだ。岸田総理は国会で財源については明言しなかったが、何らかの方法で国民に負担のあるのは当然である。少子化が国家の最大課題であるため、私たちは覚悟して当然だ。

 ともかく現在の児童手当を抜本的に拡充して、すべての子どもの成長を支える。そのために現行制度の所得制限を撤廃して、子育てを応援するという。しかも支給期間も高校生まで延長する。で、支給額も第3子以降は月額3万円に拡充する。

 各自治体にあっては、この制度に若干のプラスをして特色を出すのも面白い。少子化を防ぐために、私たちの自治体は、「こんなサービスをしています」とうたえば、若者たちを引き寄せることができようか。子育て応援を人口増にまで自治体は発展させるべきである。

 支給方法も変化する。現行は4カ月分を年に3回の支給だったが、改正案では2カ月分を年に6回支給することになる。政府は、きめ細かいサービスを子育て世代に提供する腹づもりという印象を受ける。年金の支給も2カ月分を年に6回支給しているが、同様にするらしい。また、新たに妊婦のための支援給付も行われる。10万円の支給、経済的な支援にもなろうし、子だくさん家庭を作る一助となると思われる。金銭的な心配をせずして、子どもを育てられる環境を整えようとする政策を歓迎したい。

 近年、一人親家庭が増えている。離婚率の高さからもうかがえるが、かかる家庭の安定と自立支援のため、所得制限額の引き上げや児童扶養手当の増額も行うという。共働き・共育ての推進では、育児休業給付の給付率を手取り10割相当にする出生後休業支援給付や時短勤務時の新たな給付として、育児時短就業給付を創設することになっている。大幅な子育て支援の拡充であるが、なぜ、もっと早く少子化について政府は本気にならなかったのかと嘆くばかりである。

 各自治体も改正案をそしゃくし、その上に自治体のサービスを加えることが望ましい。少子化から人口増を目標に据えて、政策を練ってほしい。「子ども・子育て支援金制度」は、令和8年に創設され、医療保険料と合わせて拠出することになるが、全国民が子育てを応援するのは当然で、若い夫婦の負担を軽減してあげねばならない。若者の苦労を軽くして人口を増やしたいと考える。歳出改革も政府は考えて、国民の理解を得られるようにしていただきたい。

(参考・自由民主、令和6年2月27日号)

 
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