【シニアマイスター経営の知恵 198】10年ぶりの香港で物価高に驚いた(上) 日本語学校講師、前帝京大学教授、元旅行会社勤務 長谷川保宏


 昨年は香港政観の大々的プロモーションで、世界中で50万枚の無料航空券を提供するとアナウンスしていた。6月にキャセイ航空から募集案内が発信され、ダメもとで応募したところ当たってしまった。航空券は5万2200円の価値ということだったが、燃油サーチャージ&諸税2万5270円はしっかり請求された。

 閉口したのは、権利行使のために日程を年度内で8月上旬までに確定する必要があったことで、暫定的に気候が一番良い時期でかつクリスマスイルミネーションでにぎわう12月に予約を入れた。が、10月に下期の勤務シフトが発表された際には、見事に日程がかぶってしまった。変更手数料が2万900円というので、学校に話して代講教員をあてがってもらった。

 さて、10年ぶりの香港で驚いたのは物価の高さである。ひと昔前は、東南アジアは物価が安いからと日本人が旅行していたが、今や日本の物価が安いからと東南アジアからのインバウンドが盛況になるという逆転現象が起こっている。香港の大卒の初任給も今や30万円を超えているそうな。現在の日本語学校の香港人学生は「日本でマンションを一つ買って帰りたい」と冗談交じりに言うが、香港の不動産価格の高騰を鑑みるとまんざら冗談とも思えない。

 香港到着初日の晩にかつての勤務会社の香港支店長と会食したウォンポアの四川料理「詠藜園」。おかず1品とギョーザ1皿をシェア、担々麺と缶ビール2本をそれぞれ頼んで1人200香港ドル=3800円(1香港ドル=19円換算)。日本なら1人2千円くらいの内容で、小生が駐在していた20年前の3倍のイメージだった。

 香港駐在が長かった知友から推奨されたジョーダンにあるパキスタンカレー屋、香港政観推奨のエビワンタン麺屋、昔からある大手の火鍋屋、いずれも味は美味だったものの値が張った。ドリンクもファンタ330ミリリットルが14香港ドル(=266円)、中瓶ビールが30香港ドル(=570円)也。食品にとどまらず4つ星ホテルのクリーニング代も、アンダーパンツ1枚が40香港ドル(=760円)でさすがに持ち帰ってきた。タクシー代も初乗りが27香港ドル(=513円)と結構高い。20年前は15香港ドル(当時210円)。かたやトラムは途中値上げがあっても現在3香港ドル=57円、スターフェリー下層階は4香港ドル=76円と庶民的な料金であったことはありがたかった。(次回に続く)

(日本語学校講師、前帝京大学教授、元旅行会社勤務 長谷川保宏)

 
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