JR東日本、東海、西日本、九州の上場4社はこのほど、2021年3月期第3四半期決算(20年4月1日~12月31日)を発表した。新型コロナウイルスや豪雨、降雪など自然災害の影響で鉄道利用が落ち込むなど、4社とも大幅な赤字となった。赤字額は4社とも同期での過去最大。JR東日本は通期連結決算で下方修正した。
JR東日本の第3四半期決算は、売上高が前年同期比42.4%減の1兆3062億6500万円、営業損失が3230億8300万円、経常損失が3730億1600万円、純損失が2945億9千万円となった。同時期での最終赤字は初めて。通期決算予想は下方修正した。
運輸事業では、駅や車内での消毒や換気、駅係員および乗務員のマスク着用など安心、清潔のPR活動に加え、Suicaや新幹線eチケットなど非接触のサービス利用を促進した。11月には「お先にトクだ値スペシャル(50%割引)」の設定区間を拡大するなど、収入確保施策を実施した。
流通・サービス事業では、10月に無人決済小型スーパーマーケット「KINOKUNIYA Sutto目白駅店」(東京)を開業するなど、「くらしづくり(まちづくり)」に取り組み、新規開業や既存事業の価値向上を図った。不動産・ホテル事業では、11月に「ホテルメトロポリタン山形 南館」(山形)を開業。しかし、新型コロナの影響を受け、駅ビルやホテル業が大幅な減収となった。このほか、Suicaの発行枚数は約8500万枚となった。
21年3月期通期決算予想は、売上高が1兆7730億円、営業損失が5350億円、経常損失が5960億円、純損失が4500億円。